渡口線

渡口線（とこうせん）

渡口線は、中国四川省攀枝花（はんしか）市内を東西に結ぶ全長42kmの鉄道路線です。この路線は、成昆線（せいこんせん）の支線として機能しており、攀枝花駅の北7kmに位置する三堆子（さんついし）駅の先で成昆線から分岐し、西へと進みます。

路線概要

渡口線は単線で、一部区間は複線となっていますが、電化はされていません。路線は金沙江（きんさこう）を遡りながら、渡口（とこう）を経て、炭鉱、石灰石、鉄鉱石、セメントなどの鉱業地域へと接続しています。これらの資源輸送は、地域経済を支える重要な役割を担っています。

歴史

渡口線の建設は、1967年4月に人民解放軍鉄道兵7659部隊によって開始され、1970年4月に完成しました。この路線は、当時の中国におけるインフラ整備の一環として、重要な役割を果たしました。

特徴

渡口線と成昆線の分岐点は、三堆子駅と牛坪子（ぎゅうへいし）駅の間にあるトンネル内に設けられています。この分岐点は、全方向複線で乗り入れ可能な三角形の構造をしており、渡口方面、成都（せいと）方面、昆明（こんめい）方面の三方向から、どの方向へも直通できるようになっています。この複雑な構造は、効率的な列車運行を可能にしています。

渡口線は、急峻な川沿いを走るため、多くの支流の河川を跨いでいます。そのため、全線の約三分の一がトンネルや橋梁で構成されています。この建設は、当時の技術力を示すものであり、現在でもその重要性は変わりません。

路線が担う役割

渡口線は、単なる輸送路としての役割だけでなく、地域開発と経済発展に不可欠な存在です。鉱業資源の輸送だけでなく、地域住民の移動手段としても利用されており、地域社会の発展に貢献しています。

今後の展望

近年、中国の鉄道網は急速に発展しており、渡口線もその一部として、さらなる発展が期待されています。電化や複線化などの近代化が進むことで、輸送能力の向上や所要時間の短縮が期待されています。これにより、地域経済のさらなる発展に貢献することが期待されています。

渡口線は、中国の鉄道技術の歴史を語る上で重要な遺産であると同時に、地域社会の発展を支える重要なインフラストラクチャーとして、今後もその役割を果たし続けるでしょう。

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