金沙江

金沙江（きんさこう）について

金沙江（拼音: Jīnshā Jiāng）は、長江の上流部にあたる中国の川で、青海省の崑崙山脈から始まり、四川省とチベット自治区の境界を流れ、最終的に雲南省に至ります。この川は東に向かって流れ、四川省を経て宜賓市で岷江と合流したところからは「長江」と呼ばれます。また、このエリアはチベット語で「ディチュ河」とも知られており、これは長江のチベット語名です。ただし金沙江とディチュ河の流域は完全には一致していません。

名の由来

金沙江の名称は、川の流れる場所で砂金が見つかったことに由来しています。明代の文人、宋応星は彼の著書『天工開物』の中で、水中から採れる金が麗水、つまり金沙江のいくつかのポイントで見つかることを指摘しています。この歴史的な事実は、金沙江の重要性と地域経済における影響を示しています。

流路と地理

金沙江は青海省西部の崑崙山脈の南側から始まり、最初は北へ流れ、後に東へ進行します。青海省とチベット自治区の境を成すタンラ山脈の北麓を流れてからは、次第に南に向きを変えていきます。川は横断山脈を越え、チベット東部のカム地方を二分しながら流れます。

地理的には、金沙江は東経97度、北緯27度から37度のあたりで、西藏自治区と四川省の境界を形成しています。そこから先、山々の間を進む金沙江は流れの向きを頻繁に変えながら、南東方向へ流れていきます。最後に雲貴高原の北部に到達し、北東へ進んでいきます。

水力発電

2021年現在、金沙江の流域では、白鶴灘水力発電所の建設が進められています。この水力発電所は、合計8基の水力タービンを設置する予定で、各タービンは100万kwの出力を持つ予定です。このプロジェクトは、世界で単一の設備容量が最大の水力発電所となる見込みです。

理論と仮説

金沙江に関する興味深い仮説の一つには、インドシナ半島の北東部からトンキン湾へ流れる紅河が、かつて金沙江の上流部であったが、地殻変動により流路を変更され、長江に奪われたという説があります。この理論は、川の形成や流れの変化を考える上で重要な視点を提供しています。

終わりに

金沙江は、その美しく豊かな自然環境と歴史的背景から、大いに注目されています。地域の経済や文化にも深く関わっており、今後もさらなる開発が期待されています。

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