渡波

渡波（わたのは）について

渡波は宮城県石巻市に存在する大字および地区名で、旧牡鹿郡根岸村端郷渡波町や祝田浜、佐須浜といった地域に由来します。2025年1月時点では住居表示がまだ実施されていませんが、石巻市の住民基本台帳のデータによれば、2024年5月時点での人口は5,391人、世帯数は2,539世帯です。

地理

石巻市の東部に位置する渡波は、住居表示の変更に伴い、飛び地が形成されています。これは1967年から1975年にかけて、数回にわたり住居表示が実施された結果です。周辺には国道398号やJR石巻線が通り、渡波駅を中心に発展を遂げています。地域の北部は森林や田畑が広がり、南部は石巻湾、東部は万石浦に面しています。

地価

地域の地価は2020年時点で公示されており、渡波字根岸前58番22での価格は27,700円/m²となっています。こうした地価の動向は、地域の価値や発展に影響を与える重要な指標です。

祝田と佐須

渡波地域内には、祝田と佐須と呼ばれる2つの地区があります。

祝田（いわいだ）

祝田は渡波の一部で、万石浦の南岸に位置しています。この地区は、江戸時代初期に肥後国の浪人、佐々木肥後が開墾を始めたことから集落の発展が始まったと言われています。江戸期には村高が16石余り、人口は175人に達し、集落は東西に1里15間、南北に1里1町13間の広さを誇りました。

佐須（さす）

佐須は万石浦の入口に位置し、その名は焼畑農業に由来しています。江戸時代の資料によれば、村高は8石余り、人口は292人で、村社として尾崎神社が存在しているほか、曹洞宗の寺院もありました。地元には多くの植物が生育し、地域の自然環境を豊かに彩っていることでも知られています。

小字

渡波には多くの小字が存在し、さまざまな歴史的背景を持っています。安永期には、本町や南町、裏町などの小字が見られ、明治期にはこれらの地域がまとめて渡波大字となりました。これらの小字は、地域の歴史を今に伝える貴重な存在です。

歴史

「渡波」という名称は1698年に初めて文献に登場します。当初は根岸村の一部として扱われていましたが、江戸時代には宿場町として賑わい、万石浦を行き交う船客のための泊地として栄えました。また、渡波には1626年に設立された入浜式の塩田もあり、1817年には仙台藩全体の塩の45%を生産していました。

施設と交通

渡波地区には石巻市立万石浦小学校をはじめ、渡波尾埼灯台や宮城県水産技術総合センターなど、地域の特色を活かした施設があります。交通手段としては国道398号や宮城県道2号、バスが利用可能で、最寄りの渡波駅からはJR石巻線が通っています。

市内における位置づけ

渡波地区は石巻市の中で重要な位置を占めており、他の地域に比べても多くの人口を抱えています。2025年には、石巻全体の人口の約10%を占める見込みです。

結び

渡波は、自然環境と歴史的背景が融合した魅力的な地域です。住民同士の連帯感も深く、地域発展に寄与する多くの要素が存在しています。今後もこの地域は、更なる発展とともに地域の伝統を守り続けていくことでしょう。

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