渡真利克則

渡真利 克則 (とまり かつのり) の経歴

基本情報

渡真利克則は、1962年8月23日に沖縄県平良市（現在の宮古島市）で生まれた元プロ野球選手および元審判員です。彼の野球人生は、選手としての挑戦から審判としての新たな役割への転身という、非常に多様な経験に満ちています。

来歴・人物

渡真利は中学校で野球部と陸上部に所属し、興南高校入学当初は投手としてプレーしていましたが、その後三塁手に転向しました。1980年の夏の甲子園に出場し、エースの竹下浩二とともにチームを準々決勝へ導き、早稲田実業の荒木大輔投手に完封されたものの、大会第9号の本塁打を打つなど注目を集めました。また、高校同期の金城博和とともに長距離打者として名を馳せました。

同年のプロ野球ドラフトでは阪神タイガースから2位指名を受け、晴れてプロの道へ進むこととなります。

プロ野球選手としてのキャリア

プロ入り後、渡真利は期待されていながら成績が伸び悩み、長い間二軍での生活を余儀なくされました。1985年10月には、数試合で先発出場し、その中の1試合ではセントラルリーグ優勝決定戦にも出場。この試合でのプレーが評価され、阪神のチーム史に名を刻むことになりました。その後もコンスタントに出場し、特に1987年には左翼手としての定位置を獲得し、打率も向上。1989年には打率.301を記録し、その実力が際立つ年となりました。

しかし、1990年には出場機会が減少し、同オフにはダイエーへのトレードが決定。1991年には稀に出場するものの、1992年には出場機会がなく、その年限りで現役を引退しました。

プロ野球審判員としての活動

1993年から渡真利はセ・リーグの審判員として新たなキャリアをスタートさせました。実力ある審判員として知られ、出場試合数も多く、安定したジャッジと優しい対応でファンや選手から信頼を受けていました。しかし、身体的な問題も抱えており、2003年には試合中に倒れてしまうなど、健康が影響を及ぼしました。

その後も療養しつつ審判を続けましたが、2006年には試合中に再度倒れ、最終的に審判業務を退くことになります。2007年には阪神タイガースの関西事務所での職務が命じられ、その後体調も回復したため、再びグラウンドでの仕事に戻ることを決意します。

現在の活動

2009年にセントラル野球連盟を退職し、2010年からは阪神園芸で整備課の主任として勤務。鳴尾浜球場の整備を担当し、また「阪神タイガースOBジュニアベースボールスクール」でも講師を務めるなど、野球界に貢献する姿勢は現在も続いています。

渡真利の野球に対する情熱と、選手から審判、その後の職業を経て、若手選手たちを育成する活動へとつなげる姿勢は、多くの人に感動を与えています。

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