渡辺光

渡辺 光（わたなべ あきら）

プロフィール

渡辺光は、1904年9月2日に東京市麹町区で生まれ、日本の著名な地理学者として知られています。彼は、お茶の水女子大学の名誉教授であり、国土地理院やお茶の水女子大学などの機関で研究を行った業績があります。1984年4月29日に心不全のため亡くなりました。

学歴と初期のキャリア

渡辺は、1917年に麹町区立富士見尋常高等小学校を卒業した後、1922年に旧制開成中学を経て、1925年には旧制第二高等学校理科を卒業しました。続いて東京帝国大学理学部地理学科へ進学し、当時の著名な地理学者である山崎直方、辻村太郎、多田文男の指導を受けました。

1927年には第3回太平洋学術会議で「日本の火山分類図」を制作し、辻村の指導のもと出品しました。1928年に東京帝国大学を卒業後、同大学の地理学教室の副手として働き Japanese University でも講師となったのもこの頃です。

留学と研究

1929年、渡辺はアメリカに渡り、ミシガン大学の地理学教室でロバート・ホール教授のもとで地誌学研究を進めました。帰国後の1933年12月、陸軍士官学校予科で教鞭を取る傍ら、1942年には文部省図書監修官に任命されます。その後、地理調査所での研究と並行して、1953年に東京大学から理学博士の称号を得ました。

教授職とリーダーシップ

渡辺は1958年にお茶の水女子大学教授として就任し、1970年には定年退官しました。その間、彼は文教育学部長や人文科学研究科長としても活躍し、1970年には日本地理学会の会長に就任。さらに1973年には日本国際地図学会の会長にもなり、1981年までその職にありました。1973年10月には日本政府の代表として第7回国連アジア極東地域地図会議にも出席しました。

研究業績

渡辺光の研究は、特に三角州や海成段丘についての海岸地形に焦点を当てており、彼の業績は1953年に提出した論文「日本列島の海岸型その成因，分類，並に地域特性」にまとめられています。また、アメリカ留学時に得た地誌研究の成果も影響を与え、日本における地形区分の進展に寄与しました。

主な論文と著作

渡辺は多数の論文を執筆しており、特に1926年から1931年にかけて発表した「コロラド臺地の河流の篏入曲流の起原」や「大陸漂移説に對する氣候學上の意見」などが知られています。また、彼の著作では、『地理学 地形・気候篇』や『日本地名事典』などが評価されました。

まとめ

渡辺光の業績は、日本の地理学に多大な影響を与え、多くの後進に道を開いた人物として記憶されるでしょう。彼の研究成果と指導は、今なお日本の地理学界において重要な位置を占めています。

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