渡辺真由子

渡辺真由子

渡辺真由子（1975年 - ）は、メディア研究者、ジャーナリストとして活動していた人物です。メディアリテラシー、いじめ問題、児童ポルノ規制、青少年の健全育成など、多岐にわたるテーマに取り組みました。

経歴

愛知県で生まれ、奈良県、石川県で育ちました。石川県立金沢錦丘高等学校を経て、慶應義塾大学文学部人間関係学科人間科学専攻を卒業。その後、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程に進み、「メディアにおける青少年保護」について研究しました。2013年に単位取得退学し、2017年に同大学より博士（政策・メディア）の学位を授与されました。

東京都青少年問題協議会委員や、文部科学省「ケータイモラルキャラバン隊」講師、法務省「人権啓発指導者養成研修会」講師、内閣府「児童ポルノ排除対策シンポジウム」パネリストなどを歴任しました。ジェンダー法学会、日本語ジェンダー学会、情報通信学会にも会員として所属していました。

メディア研究者としては、メディアの暴力・性表現が受け手の価値観に影響を与えるというメディア効果論の立場から、表現規制の強化とリテラシー教育の必要性を主張していました。また、いじめ自殺を題材としたドキュメンタリーのディレクターとして、日本民間放送連盟賞最優秀賞や放送文化基金賞優秀賞を受賞するなど、実績もあげています。

著作権侵害と博士学位の取り消し

2018年、渡辺の著書『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』において、編集過程での確認不足から無断転載が発覚し、書籍は絶版・回収となりました。これは、別の著者の論文からの無断転載であり、書籍のほぼ1章分に相当する範囲に及んでいました。

渡辺は自身のブログで、無断転載の意図はなかったと釈明しましたが、慶應義塾大学は論文に関する調査委員会を設置。その結果、博士論文『児童ポルノ規制の新たな展開』に先行研究の成果に関する適切な表示を欠く流用が含まれていたとして、2019年3月20日、博士号を取り消しました。渡辺はこれに対し不服申し立てを行いましたが、却下されました。

社会・文化史研究家の三橋順子氏は、この件を明白な盗用であり、大規模で悪質な剽窃であると批判しています。

主な著作

『オトナのメディア・リテラシー』（慶應大学テキスト、リベルタ出版、2007年）
『大人が知らないネットいじめの真実』（ミネルヴァ書房、2008年）
『ニッポンの評判』（新潮社、共著、2008年）
『小児科臨床ピクシス～不登校・いじめ』（中山書店、共著、2010年）
『プロフ中毒ケータイ天国 子どもの秘密がなくなる日』（主婦の友新書、2010年）
『性情報リテラシー』（電子書籍、2012年）
『リベンジポルノ～性を拡散される若者たち』（弘文堂、2015年）
『「創作子どもポルノ」と子どもの人権: マンガ・アニメ・ゲームの性表現規制を考える』（勁草書房、2018年）

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