東京都青少年問題協議会とは？意味をやさしく解説

東京都青少年問題協議会

東京都青少年問題協議会は、東京都における青少年問題に関する重要な役割を担う機関です。東京都青少年健全育成審議会と並び、東京都の青少年に関する政策について答申を行います。

概要

協議会は地方青少年問題協議会に準拠して東京都に設置され、2022年6月1日時点で第32期を迎えています。以前は会議の傍聴が一般に公開されていましたが、第28期の第3回専門部会以降、非公開となっています。

第28期委員（一部）

前田雅英（専門部会長 / 首都大学東京法科大学院教授）
加藤諦三（副会長・早稲田大学名誉教授）
内山絢子（目白大学教授）
大葉ナナコ（日本誕生学協会代表理事）
木村忠正（東京大学准教授）
後藤啓二（ECPAT/ストップ子ども買春の会顧問弁護士 / 元警察庁官僚）
近藤彰郎（東京私立中学高等学校協会会長）
新谷珠恵（東京都小学校PTA協議会会長）
鈴木茂克（会社役員）
住田佳子（保護司 / 人権擁護委員）
徳本広孝（首都大学東京准教授）
野田聖子（弁護士）
安川雅史（全国Webカウンセリング協議会理事長）
吉川誠司（財団法人インターネット協会主幹研究員）

批判

2010年に都議会に提出された東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案は、協議会の答申内容を反映したものでした。この改正案に対し、表現の自由を重視する立場やネット検閲に反対する立場から強い批判が寄せられ、協議会自体とその答申内容も注目を集めました。

特に答申の素案段階から、性的少数者（LGBT）や認知障害のある人々に対する偏見や差別、批判的な意見を述べる者に対する誹謗中傷とも受け取れる発言が含まれているとして、激しい批判を浴びました。弁護士の山口貴士氏は、自身のブログで「表現の自由について一顧だにしない、問題発言がてんこもり」と批判しています。

日本出版労働組合連合会は、委員の人選について、図書規制に慎重な委員が見当たらず、規制一辺倒の議論が行われていること、図書規制を推進する団体の利害関係者が委員を務めていることを指摘し、偏った人選であると批判しました。

保坂展人氏も、前田雅英委員の発言に関連して、協議会の専門委員に憲法学者が選任されていないこと、事務局が警察庁出身者によって構成されていることを批判し、取締機関が行政機関に浸食している状況を危惧しました。

委員の発言（一部）

前田雅英: 国会におけるアグネス・チャン参考人と保坂展人衆議院議員との間で実際には存在しないやり取りを捏造した発言や、児童ポルノに関する発言が批判を浴びました。
新谷珠恵: 過激な性表現を許容することへの批判や、ロリコン文化が小児性被害を助長するという発言が問題視されました。また、カタルシス理論を否定し、マイノリティへの配慮に偏りすぎているのではないかという意見も述べました。
大葉ナナコ: 児童ポルノ愛好者を障害者として捉えるべきという発言や、規制に反対する意見に対し、エビデンスは不要であるという趣旨の発言が批判を招きました。
住田佳子: 人権擁護委員でありながら、上記のような発言を問題視する発言は確認できませんでした。

これらの発言は、表現の自由や人権に関する議論を巻き起こし、協議会のあり方そのものが問われる事態となりました。

東京都青少年問題協議会