渡辺雄二 (ボクサー)

渡辺 雄二（わたなべ ゆうじ）

1970年5月2日、東京都練馬区に生まれた渡辺雄二は、斉田ボクシングジムに所属した日本の元プロボクサーである。日本スーパーフェザー級、OPBF東洋太平洋フェザー級、同ライト級の三つの王座を獲得し、WBA世界フェザー級およびスーパーフェザー級で世界ランキング1位に名を連ねるなど、国内外の第一線で活躍した。

プロキャリアの幕開けと日本王座獲得

1990年5月14日にプロのリングに上がった渡辺は、デビューから連勝を重ね、翌1991年10月14日には日本スーパーフェザー級チャンピオンの赤城武幸に挑戦。開始わずか2ラウンドでの鮮やかなノックアウト勝利により、日本王座を奪取した。このタイトル獲得は、彼を世界の舞台へと押し上げる契機となった。1992年1月11日には鈴木敏和を相手に初防衛に成功するも、同年6月8日には王座を返上している。

世界ランキング1位への浮上と初の世界挑戦

日本王座返上後も快進撃を続けた渡辺は、1992年8月10日に行われたノンタイトル戦でスティーブ・クルスを2回TKOで下すなど、圧倒的な強さを見せつけ、WBA世界スーパーフェザー級ランキングで1位にまで浮上した。満を持して1992年11月20日、東京体育館にてWBA世界スーパーフェザー級チャンピオンのヘナロ・エルナンデスと対戦。世界タイトル初挑戦の舞台となったが、巧みなアウトボクシングを駆使する王者に対し、自慢の強打を封じられ、試合序盤から劣勢を強いられた。結局、6回にレフェリーストップによるTKO負けを喫し、キャリア初の敗北とともに世界王座獲得はならなかった。この後、1993年8月30日に行われた世界ランカー対決（マルコス・ゲバラ戦）でも敗れ、世界挑戦の機会を一時的に失い、約1年間にわたりリングから離れることとなる。

階級変更とOPBF王座制覇

1994年9月12日の再起戦以降、渡辺は一つ階級を下げてフェザー級で戦うことを選択。この階級転向が再び彼をタイトル戦線に引き戻す。1995年5月8日にはOPBF東洋太平洋フェザー級王者のクリス・サギドとノンタイトル戦で対戦し、判定勝利。同年9月11日、今度はタイトルマッチとしてサギドと再戦し、4回TKOで再び勝利を収め、OPBF東洋太平洋フェザー級王座を獲得した。この王座は2度防衛した後、返上。再び世界ランキングの上位（WBAフェザー級1位）に食い込んだ。

2度目の世界挑戦

OPBFフェザー級王座返上後、渡辺は2度目の世界挑戦の機会を得る。1997年3月30日、両国国技館でWBA世界フェザー級チャンピオンのウィルフレド・バスケスに挑んだ。この試合ではセコンドの指示によりアウトボクシング戦術を試みたが、これが奏功せず、2ラウンドに2度のダウンを喫する。さらに顎を骨折するというアクシデントに見舞われながらも戦い続けたが、最終的に5ラウンド31秒、合計3度目のダウンを奪われKO負け。2度目の世界挑戦も実らなかった。

再び階級を上げ、OPBFライト級王座獲得

2度目の世界挑戦失敗後、渡辺は再び階級を上げ、スーパーフェザー級を経てライト級へと戦場を移す。2000年1月10日、OPBF東洋太平洋ライト級王座決定戦に出場し、柳昇呼と対戦。フルラウンドを戦い抜き引き分けとなったが、王座獲得はならなかった。しかし、同年4月10日に行われた同王座の再決定戦でステュワート・パターソンと対戦し、2回TKO勝利を収め、OPBF東洋太平洋ライト級王座を獲得。これにより、東洋太平洋王座の2階級制覇を達成する偉業を成し遂げた。この王座の初防衛戦で再び柳昇呼と対戦したが、3回KO負けを喫し王座から転落。この試合後、リング上で現役引退を表明した。

引退後の活動

現役を退いた渡辺雄二は、古巣である斉田ボクシングジムに残り、トレーナーとして若手ボクサーの育成に尽力している。

獲得した主なタイトル

第43回国民体育大会少年の部フェザー級 優勝
第27代日本スーパーフェザー級王座（防衛1度）
第30代OPBF東洋太平洋フェザー級王座（防衛2度）
第36代OPBF東洋太平洋ライト級王座（防衛0度）

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