渡辺麿史

渡辺 麿史（わたなべ たかふみ）

渡辺 麿史氏は、1956年2月5日に大分県日田市で生まれ、2014年2月1日にその生涯を閉じました。主に野球選手、そしてスカウトとしてプロ野球界に貢献した人物です。

高校時代

日田林工高校では、チームのエース投手として活躍しました。1972年の秋季九州大会に進出しましたが、初戦で鎮西高校に敗れています。翌1973年夏には、高校球界最大の舞台である全国高等学校野球選手権大会に出場を果たしました。甲子園での初戦となった糸魚川商工高校との試合では、相手投手黒坂幸夫氏との投げ合いを制し、見事な完封勝利を収めました。続く2回戦の浜田商業高校戦でも完封勝利を挙げ、その投球で注目を集めましたが、3回戦では、後にプロ入りする佃正樹投手を擁する強豪・広島商業高校と対戦。熱戦の末、2対3で惜しくも敗れ、甲子園での挑戦を終えました。

社会人野球を経てプロ入り

高校卒業後は社会人野球の日本鉱業佐賀関に進みましたが、当時チームのエースとして活躍していた4年先輩の藤沢公也氏の存在もあり、目立った活躍の機会は多くありませんでした。しかし、その潜在能力はプロ野球界からも注目され、1976年のプロ野球ドラフト会議において、近鉄バファローズから4位指名を受けました。社会人チームでの活動を経て、翌1977年のオフシーズンにプロ野球選手としての第一歩を踏み出しました。

プロ野球選手として、そして引退

近鉄バファローズに入団した渡辺氏でしたが、残念ながらプロ入り後は一軍の公式戦で登板する機会に恵まれませんでした。プロ野球選手としての背番号は、入団時の1978年には「11」を背負い、1979年からは「35」に変更して1982年まで使用しました。一軍での出場がないまま、1982年シーズンをもって現役生活に終止符を打ちました。

スカウトとしての貢献

ユニフォームを脱いだ後、渡辺氏は野球界から離れることなく、新たな道に進みました。1990年からは中日ドラゴンズの球団職員に転身し、九州地区担当のスカウトとして活動を開始しました。長年にわたり若手選手の育成・発掘に情熱を注ぎ、後にチームの主力となる中田賢一投手や若松駿太投手など、多くの有能な選手の入団に貢献しました。その豊富な経験と人脈を活かし、中日ドラゴンズの未来を担う選手の獲得に尽力しました。

晩年

2014年2月1日、急性白血病のため福岡県久留米市内の病院で逝去されました。享年57。選手としては大舞台での活躍は叶いませんでしたが、スカウトとしてプロ野球界、特に中日ドラゴンズに多大な貢献を残しました。
貢献を果たしました。

背番号
11 （1978年）
* 35 （1979年 - 1982年）

もう一度検索