湖南高速線

湖南高速本線について

湖南高速本線は、韓国鉄道公社（KORAIL）が運営する高速鉄道路線であり、忠清北道清州市の五松駅から全羅南道木浦市の任城里駅を結ぶ予定です。この路線は、既存の湖南線の輸送能力を増強し、ソウルと湖南地方間の移動時間を短縮することを目的としています。

建設の経緯

2004年に京釜高速線が開通し、KTXが運行を開始したことで、湖南線にもKTXの運行が始まりました。しかし、ソウルと釜山を結ぶ京釜高速線に比べ、ソウルと木浦を結ぶ湖南線の所要時間が長かったため、湖南線に並行する高速新線の建設が決定されました。

2015年4月2日には、第一期区間として五松駅 - 光州松汀駅間（182.2km）が開業しました。これにより、龍山駅 - 光州松汀駅間の所要時間は大幅に短縮されました。光州松汀以南の区間については、ルート選定に時間がかかりましたが、2017年11月30日に国土交通部が最終計画を発表しました。

路線計画

第一期区間（五松駅 - 光州松汀駅）は、主に高架構造で、既存の湖南線にほぼ並行して建設されました。第二期区間（光州松汀駅 - 木浦駅）は、光州松汀駅から羅州、古幕院を経由し、務安空港を経由して任城里に至るルートとなります。

具体的には、光州松汀 - 羅州 - 古幕院間は既存の湖南線を高速化改良し、古幕院からは務安空港を経由して任城里に至る高速線を建設します。任城里 - 木浦間は既存の湖南線を活用する予定です。

開通効果

第一期区間の開業により、龍山駅 - 光州松汀駅間の所要時間は、従来の2時間30分以上から1時間33分に短縮されました。第二期区間の全線開通後は、龍山駅 - 木浦駅間の所要時間が、2004年の運行開始時の約3時間、第一期区間開業時の約2時間15分から、最短1時間46分程度にまで短縮される見込みです。

ルート選定をめぐる問題

京釜高速線からの分岐駅については、天安牙山駅、五松駅、大田駅の3案で誘致合戦が繰り広げられました。最終的には、全国15の自治体から選ばれた評価団により、五松駅が分岐駅として正式決定されました。

また、大田都市圏では、路線の建設によって既存の西大田駅を経由するKTXが廃止または削減されることが懸念されました。最終的には、既存ルートのKTXが1日9往復残されることになりましたが、運行区間が短縮されたため、大田・忠南地域の自治体は反発しています。

さらに、光州広域市内では、KTXの発着拠点をめぐって、光州駅直通を要求する北区と、光州松汀駅を拠点化する政府との間で対立が生じました。最終的には、光州駅発着のKTXは廃止され、ターミナル駅は光州松汀駅に一本化されました。

第二期区間のルート選定

第二期区間のルートについては、務安空港を経由するルートと、しないルートの間で長らく対立が続いていました。2017年11月30日に、企画財政部と国土交通部が、務安空港を経由する新線を建設する案で合意しました。

歴史

湖南高速本線の計画は、1990年代から始まりました。数々の調査や議論を経て、2006年に基本計画が策定されました。第一期区間の建設は2009年に着工され、2015年に開業しました。第二期区間については、2020年に着工し、2025年に完成する予定です。

駅一覧

五松 - 光州松汀間

五松駅
益山駅(湖南線と合流)
光州松汀駅

光州松汀 - 木浦間（計画中）

光州松汀駅
羅州駅
古幕院駅付近(羅州連結線分岐)
任城里駅(木浦連結線分岐)
任城里駅
* 木浦駅(湖南本線と共用)

今後の展望

湖南高速本線の全線開通により、ソウルと湖南地方間の移動時間が大幅に短縮されることが期待されます。また、務安空港へのアクセスが向上することで、地域経済の活性化にも貢献すると考えられます。

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