湘南宗化

湘南宗化（しょうなん そうけ）

湘南宗化は、安土桃山時代末期から江戸時代初期にかけて活躍した臨済宗の僧侶です。1586年頃に生まれ、1637年に亡くなりました。彼の生涯は、養父である山内一豊との関係や、仏道における高邁な精神で彩られています。

生い立ちと出家

湘南宗化は幼名を「拾」といいました。実の両親については詳しい記録が残っていませんが、山内一豊と見性院夫妻の養子として育てられました。一豊夫妻は、長浜で地震により幼い娘を亡くし、悲しみに暮れていたところ、与祢の供養の場で「拾」を拾い、実子同然に育てたと言われています。

しかし、豊臣秀次が切腹した後の1595年頃、山内一豊の命により、湘南宗化は家を離れて出家することになります。これは、血縁関係のない彼に山内家を継がせることに問題があると判断されたためと考えられています。

僧としての修行と活躍

京都で修行を積んだ湘南宗化は、その後、土佐国の吸江寺を与えられ住職となりました。また、京都妙心寺大通院の第二代住持にも就任し、朝廷から紫衣の勅許を受けるほど高僧としての地位を確立しました。さらに、土佐慶徳山円明寺（江戸時代に焼失）の中興にも尽力しました。

妙心寺大通院は山内家の菩提寺となり、一豊夫妻の京都墓所もここにあります。養母である見性院は、夫・一豊が1605年に亡くなった後、土佐から京都に移り住み、湘南宗化と再会を果たしました。見性院は余生を京都で過ごし、大通院にいた湘南宗化は、度々見性院を訪ねて孝養を尽くしたといわれています。

見性院への報恩

1633年、見性院の十七回忌にあたり、湘南宗化は京都に見性閣を設けました。そして、養母の恩に報いるために盛大な法事を営みました。一豊夫妻は、妙心寺に祀られています。

湘南宗化は、1637年に妙心寺で亡くなり、同寺に葬られました。法名は湘南宗化大航普済禅師です。

弟子

湘南宗化の弟子には、妙心寺時代に薫陶を受けた山崎闇斎がいます。山崎闇斎は、湘南宗化に従い土佐吸江寺にも同行しました。

湘南宗化に関連する情報

NHK大河ドラマ「功名が辻」: 湘南宗化は、このドラマで泉澤祐希さんと三浦春馬さんが演じました。
外部リンク: 高知市歴史散歩のサイトで、湘南宗化に関する情報を見ることができます。


湘南宗化は、その波乱に満ちた生涯を通して、仏教への深い信仰と人間愛を示した人物です。彼の功績は、現代にも語り継がれています。

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