湧泉寺

湧泉寺

湧泉寺（ゆうせんじ）は、中華人民共和国福建省福州市晋安区鼓山に位置する著名な仏教寺院です。

歴史

湧泉寺の歴史は唐代に遡ります。建中4年（783年）に華厳寺として創建されたのが始まりです。しかし、武宗による会昌の廃仏という仏教弾圧の時代には、多くの僧侶が還俗を余儀なくされ、寺院も破壊される憂き目に遭いました。

その後、呉越の天宝元年（908年）に高僧である神晏が伽藍を整備し、大改修を経て「湧泉禅院」と改名されました。北宋時代には、神宗皇帝から「湧泉禅寺」の額を賜り、寺格を高めます。

明代に入り、永楽5年（1407年）に正式に「湧泉寺」と改名されました。しかし、永楽6年（1408年）には火災に見舞われ焼失。嘉靖21年（1542年）にも再び焼失するという苦難を経験します。その後、万暦47年（1619年）に曹学佺と道東智諦によって大雄宝殿が再建され、崇禎2年（1629年）には林宏衍と宏暁が法堂を再建しました。さらに、崇禎6年（1633年）には林宏衍が鐘楼と鼓楼を建立し、崇禎7年（1634年）には曹学佺が天王殿を再建するなど、復興への努力が続けられました。

清代の初期には、元賢が寺院を重修し、康熙38年（1699年）には康熙帝から「湧泉寺」の額を再び賜りました。

中華人民共和国成立後も、湧泉寺は重要な仏教寺院として保護されています。1983年には、中華人民共和国国務院によって漢族地区仏教全国重点寺院に認定され、2001年には全国重点文物保護単位に認定されました。

伽藍

湧泉寺の伽藍は、以下の主要な建物で構成されています。

山門
天王殿
大雄宝殿
法堂
鐘楼
鼓楼
蔵経楼
方丈室
祖堂

これらの建物は、長い歴史の中で再建や修復を重ねており、それぞれの時代における建築様式や美術様式を反映しています。特に、大雄宝殿は壮大で、多くの参拝者を集めています。

湧泉寺は、中国仏教の歴史と文化を伝える貴重な存在であり、多くの人々に信仰の場として、また観光名所として親しまれています。

脚注

参考文献

張馭寰 (2012). “東南第一大叢林：鼓山湧泉寺” (中国語). 『図解中国著名仏教寺院』. 北京市: 当代中国出版社. pp. 192–193. ISBN 978-7-5154-0135-5

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