湯漢

湯漢（John Tong Hon）の生涯と業績

湯漢（トーン・ホーン、英語: John Tong Hon）は、1939年7月31日に香港で生まれ、カトリック教会の聖職者として活動しています。彼は現在、カトリック香港教区の司教であり、2012年には枢機卿に任命されました。彼の生涯は、激動の時代と密接に結びついており、その経験が彼の信仰と奉仕の道を形作ってきました。

生い立ちと司祭への道

湯漢は、香港中環で生まれ、その後広州で小学校を卒業しました。当時、中国は国共内戦の最中にあり、多くの負傷兵や難民が南へと逃れていました。湯漢は、司祭が負傷兵や難民を助ける姿に感銘を受け、司祭になることを決意しました。その後、中国大陸の政権交代に伴い、多くのカトリック聖職者が中国を離れることを余儀なくされました。このような状況の中、湯漢はマカオの聖ヨゼフ神学校に進み、その後、香港の華南大神学校（現在の聖霊神学校）で学びました。さらに、ローマのウルバノ大学で神学を深く研究し、博士号を取得しました。

司祭としての活動

1966年1月6日、湯漢はローマで教皇パウロ6世によって司祭に叙階されました。叙階後、彼はカトリック香港教区で長年にわたり働き、1970年からは聖霊神学校で教鞭をとりました。彼は哲学院神学部教授、神学部主任、哲学院校外課程部主任などを歴任し、後進の育成に尽力しました。また、東京大司教区の白柳誠一大司教とも交流があり、日本からの中国教会巡礼団を率いたこともあります。1980年からは、聖霊研究センターの執行主任を務めています。

司教としての昇進

1996年10月20日、湯漢はカトリック香港教区の補佐司教に任命され、同年12月9日に司教叙階を受けました。さらに、2008年1月30日には、教皇ベネディクト16世によって香港教区の協働司教に任命されました。2009年4月15日、当時のカトリック香港司教であった陳日君枢機卿が引退を申し出たことを受け、湯漢はカトリック香港教区の第7代司教に就任しました。2012年1月6日には、教皇ベネディクト16世が湯漢を枢機卿に任命することを発表し、2月18日に枢機卿に挙げられました。

枢機卿としての役割

陳日君枢機卿が80歳に達したため、湯漢は華人枢機卿として唯一、教皇選挙に参加できる枢機卿となりました。枢機卿としての役割は、教皇の選出だけでなく、教会の運営や助言においても重要なものです。湯漢は、その穏健な性格と深い信仰心から、教皇庁からの信頼も厚く、重要な役割を担っています。

評価と人物像

湯漢は、その落ち着いた性格と穏やかな人柄で知られています。中国天主教愛国会副主席の劉柏年は、湯漢の協働司教任命を「喜ばしい事」と評価しました。また、民主党前主席の李柱銘は、湯漢のやり方は陳日君と異なるものの、その政治的立場は明確であると指摘しました。湯漢は、教会の指導者として、バランスの取れた立場を維持しながら、香港教区の発展と信徒の福祉のために尽力しています。

学歴

香港中文大学 哲学修士
ウルバノ大学 神学博士

脚注

(脚注は省略)

外部リンク

John Cardinal Tong Hon † Catholic-Hierarchy
湯漢主教簡介《天主教香港教区》
教廷委任湯漢主教為香港教区助理主教《香港天主教社会傳播處》
カトリック香港教区
* ウルバノ大学

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