満洲里会議

満洲里会議

満洲里会議（まんしゅうりかいぎ）は、1935年から1937年にかけて満洲国とモンゴル人民共和国の国境問題を解決する目的で、数回にわたり満洲里で行われた外交会合です。会議には各国の政府代表が参加し、背後にはソビエト連邦や日本の影響が存在していましたが、最終的には具体的な成果を得ることはできませんでした。この会議は満蒙会議とも呼ばれています。

背景

満洲事変に伴い、日本が満洲国を設立した後、モンゴル人民共和国と満洲国の間では国境に関する対立が発生しました。両国の国境地域は遊牧民が住む草原で人口が少なく、国境線は明確ではありませんでした。清朝の支配時代に定められた境界線がありましたが、地形的に特定の基準物が少なく、標識も風化していました。

日本と満洲国は、清の行政区分に基づく従来の境界線を否定し、ハルハ川を新たな国境線として主張したため、国境を巡る争奪が始まりました。1935年当時、ソ連とモンゴル人民共和国は満洲国を国家として承認していなかったため、両国間での正式な国境交渉は行われていませんでした。

このような状況の中で、1935年の初めにハルハ廟事件が発生し、モンゴル国境警備隊と満洲国軍の間で衝突が起きました。これが両国関係を悪化させ、外交局面における緊張を高めることとなりました。

経過

事前交渉

1935年1月28日、日本の外務省はハルハ廟事件に関して満洲国政府が現地解決を目指していると発表し、国境画定の重要性を強調しました。この日本の意向に基づき、満洲国はモンゴルへの国境画定会議の開催を求めました。

モンゴル政府はソ連を仲介者とした会議を希望しましたが、結果として満洲里での開催で合意されました。

1935年の会議

1935年6月3日、満洲里にて第1次会議が開催されました。モンゴル代表団と満洲国代表団が参加し、国境問題を解決するための協議が行われました。しかし、両国の意見は折り合わず、国境紛争処理委員会の設置で合意に至ったものの、その後の交渉では不和が続きました。

その後も日本の関東軍による不法越境事件が発生し、事態はさらにこじれました。7月には互いに責任を追及し合う事態に発展しました。

1936年と1937年の後続

1936年に入ると、武力衝突が増加し、ソ連とモンゴルの軍事同盟が結ばれる一方で満洲里会議の再開は難航しました。ようやく10月に第2次会議が開催されたものの、抜本的な進展はなかった。

1937年にも会議が再開されることはありましたが、両国の意見対立や内部事情により進展はなく、最終的には完全に終了しました。

関係国の意図

満洲里会議においては、ソ連と日本がそれぞれ異なる思惑を持っていました。ソ連はモンゴルへ日本の影響が及ぶことを避けるため、会議の進展を望んでいなかった一方、日本は満洲国との国交を通じてモンゴルへの影響力を強めたかったのです。

評価

満洲里会議は、具体的成果を得ることなく終息しました。一般的には、極東の国際情勢への影響は少なく、日ソ間の対立が解決されない限り、両国が自らの問題解決に向けた努力が無駄であったと評価されています。また、会議を通じてモンゴルは国際的地位の向上を果たすチャンスを得ました。

このように、満洲里会議は当時の国際政治を反映した重要な事象であり、その結果が及ぼした影響については今でも様々な見解が存在します。

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