源兵衛村

源兵衛村（げんべえむら）

源兵衛村は、かつて東京府南豊島郡に存在した地名です。現在の東京都新宿区の一部、具体的には高田馬場2丁目東部、西早稲田3丁目西部、高田馬場1丁目北部の一部、西早稲田2丁目西部・北部の一部にあたります。

歴史

1615年、大坂夏の陣の後、豊臣秀吉の遺臣である小泉源兵衛らが江戸に逃れ、当時荒地であったこの地を開墾し、源兵衛村を興しました。源兵衛はその後、主に火薬の番や鉄砲の弾の製造に携わっていたとされています。1726年には、源兵衛の死後、その功績を記念して、地元の有志によって子育地蔵が安置されました。この地蔵は現在も存在し、地域の歴史を静かに見守っています。

1827年には、信濃国飯田藩主の堀大和守が、多忙のため休息が必要と進言され、庭園を造ることにしました。当時、この地には多くの抱屋敷の土地があったため、それらを譲り受けて「楽其楽園」という庭園が作られました。しかし、この庭園は現存していません。

所属の変遷

源兵衛村は、かつて武蔵国豊島郷富塚村に属していました。1590年までは、源兵衛村の他に諏訪谷村、下戸塚村、(上)戸塚村の4つの村を総称して富塚村と呼んでいました。その後、以下の通り所属が変遷しました。

1868年12月18日（明治元年11月5日）：東京府に編入
1869年6月27日（明治2年5月8日）：東京府地方2番組
1872年1月8日（明治4年11月28日）：東京府第3大区7小区
1873年3月18日（明治6年2月20日）：東京府第8大区4小区
1878年（明治11年）11月2日：東京府南豊島郡
1889年（明治22年）5月1日：町村制の施行により、東京府南豊島郡戸塚村の大字源兵衛となる

この後の歴史については、戸塚町の項目を参照してください。

その他

西早稲田3丁目西部の路地裏には、かつての墓を祀る源兵衛共同墓地が現在も残っています。これは、源兵衛村の名残を今に伝える貴重な場所です。

なお、愛知県名古屋市南区にも源兵衛町という地名が存在しますが、これは別の人物の名前に由来するもので、この源兵衛村とは関係ありません。

参考文献

(参考文献リストは省略します)

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