南豊島郡(みなみとしまぐん)
南豊島
郡は、
東京府に存在した
郡であり、現在の
渋谷区と
新宿区の一部にあたる地域を管轄していました。
1878年に豊島
郡から分割されて成立し、
1896年に東多摩
郡と合併して
豊多摩[[郡]]となり、その歴史を閉じました。
南豊島
郡の領域は、現在の
渋谷区全域と、
新宿区の一部(旧
淀橋区の区域である戸塚町、西早稲田、戸山、大久保、
歌舞伎町、西
新宿以西、および
新宿の一部)に相当します。この地域は、東京の都心部として発展し、多くの人々が生活し、活動する場所となっています。
歴史
郡発足までの沿革
江戸時代末期、この地域は幕府領や
寺社領、町地などが入り混じっていました。
明治初年には、以下の変遷を辿っています。
1868年:
忍藩士の山田政則が
武蔵知県事に就任し、下戸塚村を管轄しました。
旧幕府代官の松村長為が武蔵知県事に就任し、下戸塚村を除く地域を管轄しました。
松村長為知県事が
古賀定雄に交代しました。
町地および隣接する区域が東京府に編入されました。
1869年:
山田政則知県事が宮原忠英に交代しました。
品川県、大宮県が設置されました。
大宮県が浦和県に改称されました。
小石川金杉町が小石川水道町に、麻布桜田町
飛地が麻布笄町にそれぞれ改称されました。
内藤新宿の各町が改称されました。
四谷の一部から内藤
新宿北町などが、内藤
新宿の一部から内藤
新宿北裏町などが起立しました。
1871年:
東京府(第2次)が発足し、
品川県、
浦和県の
郡域を管轄しました。
1872年:
大区小区制が施行されました。
1873年:
東大久保砂利取場跡新田が東大久保村に編入されました。
1874年:
中豊沢村が中渋谷村に編入されました。
東大久保村の一部から東大久保町が、西大久保村の一部から大久保百人町がそれぞれ起立しました。
郡発足以降の沿革
1878年:
郡区町村編制法の施行により、豊島郡から南豊島郡が発足しました。郡役所は内藤新宿二丁目に設置されました。
東京15区の設置により、以下の地域が各区に編入されました。
神田区: 三河町
芝区: 芝町、金杉町
麻布区: 麻布町、麻布本村、麻布谷町、麻布市兵衛町、飯倉町、麻布笄町、麻布竜土町、麻布材木町、麻布六本木町、三田古川町
赤坂区: 赤坂檜町、赤坂新坂町、渋谷宮益町
四谷区: 千駄ヶ谷西信濃町、千駄ヶ谷甲賀町、千駄ヶ谷一丁目、千駄ヶ谷二丁目、千駄ヶ谷三丁目、千駄ヶ谷仲町一丁目、千駄ヶ谷仲町二丁目
牛込区: 牛込破損町
小石川区: 小石川水道町
1879年:
上豊沢村、下豊沢村がそれぞれ上渋谷村、下渋谷村に編入されました。
東大久保町が東大久保村に編入されました。
中里村が早稲田村に編入されました。
四谷区の一部が千駄ヶ谷村に編入されました。
1880年:
下戸塚村の一部が
牛込区に編入されました。
1885年:
牛込村が早稲田村に編入されました。
1889年:
市制施行により
東京市が発足し、以下の区域が編入されました。
四谷区: 千駄ヶ谷村の一部
牛込区: 早稲田村
町村制施行により以下の町村が発足しました。
内藤[[新宿町]]: 内藤
新宿一丁目、内藤
新宿二丁目など(現
新宿区)
千駄ヶ谷村: 千駄ヶ谷村、穏田村など(現渋谷区)
渋谷村: 上渋谷村、中渋谷村、下渋谷村など(現
渋谷区)
代々幡村: 幡ヶ谷村、代々木村(現渋谷区)
淀橋町: 柏木村、角筈村など(現
新宿区)
大久保村: 東大久保村、西大久保村など(現新宿区)
戸塚村: 戸塚村、下戸塚村など(現
新宿区)
落合村: 上落合村、下落合村など(現新宿区)
下渋谷村の一部が
麻布区へ編入されました。
下落合村の一部が高田村へ、飛地が北豊島[[郡]]長崎村へそれぞれ編入されました。
原宿村の
飛地が
赤坂区、
麻布区に分割編入されました。
1891年:
内藤[[新宿町]]の一部が
東京市四谷区に編入されました。
1896年:
南豊島
郡は東多摩
郡と合併し、
豊多摩[[郡]]が発足。南豊島
郡は廃止されました。
行政
歴代郡長
(詳細不明)
当初、内藤
新宿二丁目に設置されましたが、
1889年12月に淀橋町大字柏木に移転しました。
まとめ
南豊島
郡は、東京の発展において重要な役割を果たした地域であり、その変遷は、東京の都市化の歴史を物語っています。現在の
渋谷区、
新宿区の一部は、この
郡の歴史の上に成り立っています。