源晟

源晟（みなもと あきら）

1850年（嘉永3年）に生まれ、1918年（大正7年）に没した源晟は、明治時代の激動期を生きた政治家、自由民権運動家、弁護士です。旧姓を河原木といい、幼名を滝蔵と名乗っていました。八戸藩士の家に生まれ、藩校で漢学や洋学を修めた後、明治維新前には藩学の幹部を務めました。

初期の活動とキリスト教への傾倒

1871年（明治4年）に東京へ遊学し、1872年（明治5年）に源晟と改名しました。21歳で弁護士（代言人）となり、公娼廃止運動や救貧運動に関心を抱く中で、ギリシャ正教（日本ハリストス正教会）に傾倒しました。

1876年（明治9年）には、陸奥国八戸光栄会を設立し、沢辺琢磨から八戸で初の洗礼を受けました。洗礼後は上京してニコライ司祭の下で学び、各地で伝道活動に従事しました。1881年（明治14年）に帰郷。

自由民権運動への参加と政治活動

1880年（明治13年）、奈須川光宝や関春茂らが設立した自由党系の結社「暢伸社」に参加し、民権運動に身を投じました。1884年（明治17年）の産馬騒擾事件では、民衆側の勝利に大きく貢献し、その後の民権運動を主導する役割を果たしました。

1886年（明治19年）には青森県会議員に当選し、政界入りしました。これを機にハリストス正教の伝道者を辞任し、県会議員を4期務め、副議長や議長を歴任しました。1894年（明治27年）には第3回[[衆議院議員総選挙]]で青森県第1区から出馬し初当選、続く第4回総選挙でも当選し、衆議院議員を2期務めました。

政治活動と教育への貢献

衆議院議員時代には自由党に入党し、1889年（明治22年）には奈須川光宝や関春茂らと共に、八戸で自由党系の政治結社「八戸土曜会」を立ち上げました。また、八戸中学、八戸高等女学校、湊水産学校などの誘致に尽力し、教育の発展にも貢献しました。しかし、1898年（明治31年）の衆議院選挙で奈須川に敗れ、政界を引退しました。

晩年

政界引退後は、八戸町立徒弟学校長、学校委員、町立図書館長などを歴任した後、長崎へ転居しました。

源晟は、激動の明治時代において、政治家、自由民権運動家、そして教育者として多岐にわたる分野で活躍し、八戸の発展に大きく貢献した人物として、その名は今も語り継がれています。

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