源相方

源 相方（みなもと の すけかた）

平安時代中期に活躍した源相方は、宇多源氏の一員であり、左大臣・源重信の子です。彼の官位は従四位上かつ権左中弁で、官職を通じて多岐にわたる役割を果たしました。相方の生年は不明ですが、彼の活動は996年から998年にかけて多くの影響を与えました。

経歴

そのキャリアの中で、相方はまず蔵人として働き、次に伊賀守、備後守、そして播磨守といった地方の守護職を歴任しました。彼の官職の変遷は、一条天皇の時期に行われたもので、特に長徳2年（996年）の出来事が注目されます。この年、正左中弁の藤原忠輔が右大弁に昇進し、その後任に相方が一度任ぜられましたが、その後天皇の意向で藤原行成との交代が決定しました。相方は皇族との関係が深かったため、この役職に強い希望を持っていましたが、最終的には行成がその地位に就きました。

長徳4年（998年）には、源扶義の死に伴い右大弁のポストが空きましたが、再び相方と行成が競い合いました。相方は関係者にその任官を訴えましたが、行成は彼が播磨守としての任務を十分に遂行していないとの指摘を行い、結果的に道長も行成の昇進を受け入れました。このように、相方は後に結局職務を果たさず、その年の10月には行成が右大弁に任命されました。相方は病を抱えており、これが彼の早世の要因となったと考えられています。

人物像

相方は文化人としても知られています。『続本朝往生伝』には一条朝における重要な文化人「雲客」の一人として認識されており、特に三舟の才に関する逸話が有名です。この逸話は、986年に開催された大堰川での三舟遊興に関するもので、相方は藤原公任とともに、漢詩、管絃、和歌の舟に次々と乗り込んでその才を披露しました。相方はまた、勅撰歌人としても知られ、『拾遺和歌集』などの勅撰和歌集には彼の和歌が3首も収められています。

官歴

相方の官歴は以下の通りです。

• - 時期不詳：蔵人、伊賀守
• - 正暦3年（992年）6月8日：前備後守
• - 正暦5年（994年）日付不詳：見播磨守
• - 長徳元年（995年）10月3日：昇殿、見播磨守
• - 長徳2年（996年）8月5日：権左中弁
• - 長徳4年（998年）日付不詳：卒去

系譜

相方の血統については、『尊卑分脈』に記載があり、父は源重信、母は藤原朝忠の娘で、妻は平季明の娘だとされています。このような背景から、相方は一族の中でも重要な地位を占めていました。子供には源慶方が存在します。

参考文献

• - 土田直鎮『日本の歴史 5 王朝の貴族』〈中公文庫〉1973年
• - 黒板伸夫『藤原行成』（吉川弘文館人物叢書、1994年）
• - 宮崎康充編『国司補任 第四』続群書類従完成会、1990年
• - 『尊卑分脈 第二篇』吉川弘文館、1987年

相方の人生は、平安時代の貴族社会における多くの要素を反映しており、彼の貢献は後世にわたって語り継がれるべきものです。

もう一度検索