源義信

源義信について

源 義信（みなもと の よしのぶ）は、平安時代後期に活躍した河内源氏の武将である。彼は源義親の長男であり、源義家の孫にあたる。世間では対馬太郎の名で知られており、官位としては『尊卑分脈』に基づくと従四位下・左兵衛佐という地位を有していた。

経歴の概略

源義信は父義親のもとに生まれたものの、父の西国における乱行により、家督は異母弟の源為義に継承された。義親の正室は肥後守・高階基実の娘であり、義信の義父である基実は義親の行動により肥後守を罷免された上、贖銅の刑を受けるという運命を辿った。歴史研究者の角田文衛によれば、義信、義俊、義泰、義行の四兄弟はそれぞれ「対馬太郎」「対馬次郎」「対馬三郎」「対馬四郎」と称されていた。このことから、彼ら4人が正室の所生の同母兄弟である一方で、義親の庶子とされる為義との関係については、多くの解釈が存在する。

義信は武士として特に目立った活動は確認できないが、彼の官途は弟の為義よりも高く、最終的には従四位下・左兵衛佐に至った。因みに、為義が河内源氏の棟梁として名が上がるのは、源頼朝が鎌倉幕府を開く前後のことで、当時は源氏各系統の間になんらかの上下関係が確立されていなかったとされている。

一方で、為義が義親の四男でありながら叔父義忠の養子として後を継いだ理由には、兄たちが「対馬」を名乗っていたことが挙げられる。彼にその称号がないため、三人の兄が父義親に従い対馬に渡り、事件に巻き込まれる中、京に残されていた為義が義家夫妻によって養われ、嫡男としての地位を得たのではないかとも言われている。義信の子孫については、松尾の最福寺を開いた僧の延朗以外には詳細な活動の記録がほとんど残っておらず、父の滅亡に伴って没落した可能性が高いとの推測が浮上している。

また、為義が義信の弟ではなく叔父であったという説も存在する。しかし、仮に為義が義家の子だったとすれば、なぜ『尊卑分脈』がことさらに謀反を起こした義親の四男と名記しているのかという疑問も提起されている。

系譜

義信の系譜については以下のように整理される。

• - 祖父：源義家
• - 祖母：源隆長の娘
• - 父：源義親
• - 母：高階基実の娘（疑問が残る）

兄弟

• - 次弟：源義俊 - 対馬次郎。右馬允
• - 三弟：源義泰 - 対馬三郎。伊予介
• - 四弟：源為義 - 従五位下検非違使左衛門大尉
• - 五弟：源義行 - 対馬四郎。伊予介。兵庫允
• - 六弟：源宗清 - 従五位下伊勢守。兵庫允

子孫

• - 長男：延朗（1130-1208）
• - 次男：源義政 - 正五位下左馬権頭
• - 三男：源義資 - 従五位兵衛尉。出羽守

以上から、源義信の家系やその関係性に関しては多くの謎が残されており、彼自身の歴史的な役割や影響についても未解明な部分が多いことが伺える。

もう一度検索