滋賀県民の歌

滋賀県民の歌

滋賀県民の歌（しがけんみんのうた）は、日本の都道府県の一つである滋賀県が、1954年に制定した県民歌です。この歌は、作詞を蓼沢猟（本名・五味道茂）が手掛け、西條八十による補作を経て、古関裕而が作曲したものです。初めてのレコードは日本コロムビアから発表され、岡本敦郎と奈良光枝、コロムビア合唱団の歌によって広まっています。レコードのB面には「行進曲 滋賀県民の歌」というインストゥルメンタルが収録されています。

制定背景

この県民歌は、1954年6月15日に滋賀会館の竣工を記念して制作されました。県では歌詞の公募を行い、471作品が寄せられた中から蓼沢猟の作品が選ばれました。この歌が制定された背景には、県勢の発展や県民の意識を高め、理想的な郷土づくりを目指すという意義があります。具体的には、県民一人ひとりが郷土への愛着を持ち、明るい生活を築く意欲を育むことを狙いとしていました。

ただし、制定から約30年経過した1999年には、行ったアンケートで県民の63%がこの歌を「知らない」と回答したこともありました。興味深いことに、知っているという少数派の意見の中では「この歌は素晴らしい」「あまり歌われなくなって残念」といった好意的な評価が多く見られました。

県民歌の見直し

このような状況を受けて、2016年には県議会で「琵琶湖周航の歌」を県民歌とするべきだとの意見も上がりました。滋賀県が毎年発行している県民手帳には、滋賀県民の歌と琵琶湖周航の歌の両方が掲載されており、2017年には「琵琶湖周航の歌」の発表100周年を迎えることから、両歌の認知度向上を目指したPR活動が予定されています。

歌碑の設置

制定当初、滋賀県民の歌を記念して作られた歌碑は旧滋賀会館の敷地内に設置されていましたが、会館が廃止されたため、2016年には滋賀県庁舎前に移設されました。このように県庁前に県民歌の歌碑を設置するのは長野県庁前の「信濃の国」に次いで二例目となります。これにより、地域の文化やアイデンティティを強化する取り組みが進められています。

まとめ

滋賀県民の歌は、地域の誇りを高め、郷土愛を促進するメッセージを持って制定された歌ですが、時代の変化とともにその認知度には課題も見られるようです。それでも、その魅力的なメロディーや歌詞は、多くの人々の心に残っており、県民としての意識を育む重要な役割を果たすことが期待されています。

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