滋賀県立八幡工業高等学校

滋賀県近江八幡市西庄町に根差す滋賀県立八幡工業高等学校は、「八工」（はちこう）の略称で親しまれている公立の工業専門高校です。生徒一人ひとりが「やればできる八工魂」を胸に、技術習得と人間形成に励んでいます。

教育の特色と学科構成

本校では、現代社会のニーズに応えるため、工業分野における実践的かつ専門的な学びを提供しています。現在の学科構成は、ものづくりの基盤を担う機械科、電気エネルギーや情報技術を学ぶ電気科、そして環境と化学の視点から産業を支える環境化学科の3学科を設置しています。

これらの専門学科に加え、工業の基礎を幅広く学びながら、大学進学を目指す生徒のために総合技術コースも用意されています。このコースは、1年次の後半に進路希望に応じて選択が可能となり、将来の選択肢を広げるためのサポートを行っています。

沿革

滋賀県立八幡工業高等学校は、昭和36年（1961年）4月、旧蒲生第一中学校の校舎を仮校舎としてその歴史をスタートさせました。開校当初は機械科と電気科の2学科、それぞれ80名の生徒で学びが始まりました。

その後、昭和38年（1963年）4月には化学工業科を、昭和49年（1974年）4月には建築科を新設するなど、時代の変化に合わせて学科を拡充してきました。平成5年（1993年）4月には情報電子科が加わり、技術革新に対応した教育体制を整えました。

2000年（平成12年）4月には、化学工業科を環境化学科へと改編し、環境問題への意識の高まりに応じた教育内容へと進化させました。また、この年には総合技術コースも新たに設置され、多様な進路希望に対応できる教育課程が確立されました。

そして、平成26年（2014年）4月には学科再編が実施され、情報電子科と建築科の生徒募集が停止となり、現在の機械科、電気科、環境化学科の3学科体制へと移行し、現在に至ります。

所在地とアクセス

本校は、滋賀県近江八幡市西庄町5番地に位置しています。

交通アクセスは、JR東海道本線または近江鉄道の近江八幡駅から徒歩でおよそ20分です。

校歌

本校の校歌は、「みずうみに答える」と題され、作詞は黒田しのぶ氏、作曲は山本郁夫氏によって手掛けられました。美しい五七調を基調としていますが、4番のみ破調というユニークな特徴を持つ歌です。

部活動

運動部、文化部ともに活発に活動していますが、中でもラグビー部は本校の顔として広く知られています。滋賀県内では屈指の強豪校としてその名をとどろかせ、創部以来、数々の輝かしい成績を収めています。開校と同年に創設されたラグビー部は、2018年度までに全国高等学校ラグビーフットボール大会（通称「花園」）に27回出場しており、最高成績はベスト16が7度という実績を誇ります。

特に印象深いのは、2003年度の全国大会です。この年、八幡工業高校ラグビー部はノーシードながら快進撃を続け、ベスト16に進出しました。惜しくも、その年の優勝校となった啓光学園に敗れはしましたが、多くの人々に感動を与えました。

関係者

本校からは、様々な分野で活躍する多くの人材を輩出しています。

著名な出身者としては、大相撲の世界で活躍した蔵間龍也氏（元大相撲力士、タレント）をはじめ、ラグビー界では福岡幸治氏（元ワールドファイティングブル）、山本剛氏（トヨタ自動車ヴェルブリッツ）、仙波智裕氏（東芝ブレイブルーパス）、山本幸輝氏（ヤマハ発動機ジュビロ）、五十野海大氏（NTTドコモレッドハリケーンズ大阪）といったトップリーグで活躍する選手がいます。また、レスリング選手として甲斐友梨氏も本校卒業生です。

かつて本校の教職員として教壇に立ち、その後帝京大学ラグビー部を率いて前人未到の大学選手権9連覇を達成した岩出雅之氏も本校に関わりの深い人物です。

滋賀県立八幡工業高等学校は、技術教育を通じて地域産業の発展に貢献するとともに、スポーツや文化活動を通じて生徒たちの可能性を引き出し、社会に貢献できる人材育成を目指しています。

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