滝井繁男

滝井 繁男について

滝井 繁男（たきい しげお、1936年10月31日 - 2015年2月28日）は、日本の弁護士および最高裁判所判事として知られる人物です。彼は、大阪弁護士会に所属し、人権派弁護士として名を馳せました。特に、大阪空港の騒音訴訟や医療過誤訴訟において原告の代理人を務めるなど、数々の重要な事件に関与しました。また、日本興業銀行の責任を追及した尾上縫の破産管財人も任されました。

暮らしと学び

滝井は、1961年に京都大学法学部を卒業し、司法修習を経て1963年に弁護士として登録されました。彼の弁護士としての活動は、法制審議会の民訴法部会委員や大阪弁護士会会長、日本弁護士連合会副会長など、多くの役職を経ていく中で発展していきました。

最高裁判所判事としての業績

2002年から2006年にかけては、最高裁判所の判事として活躍しました。彼は、特に「グレーゾーン金利判決」で、多重債務者を救済したことで知られています。この判決によって、後の過払い金返還訴訟の潮流を生み出し、「サラ金を殺した男」としての名声を得ることとなります。

滝井はまた、いくつかの重要な事件を審理しました。その中には、チッソ水俣病関西訴訟（2004年）、JT女性社員逆恨み殺人事件（2004年）、国際自由学園事件（2005年）、東京都管理職選考試験事件（2005年）、そして東住吉事件（2006年）があります。特に東住吉事件では、被告人が無罪であるとの確信を持ちつつ、判決の1ヶ月前に退官したため、最終的な裁判において彼の意見は採用されることはありませんでした。

受賞と最期

滝井は、2008年に旭日大綬章を受章し、その功績が評価されました。彼の人生は、2015年2月28日に急性肺血栓塞栓症により78歳で幕を閉じました。死後、叙従三位に叙されました。

著作

滝井はまた、多くの著作を残しており、『逐条解説 工事請負契約約款』はその代表作の一つです。この書籍は1975年から1998年にかけて何度も改訂されたり再版されるなど、特に建設契約に関する実務書として広く利用されています。他にも、建設工事契約に関する法律実務や判例解説に関する著作が多数あります。

追悼論集

滝井の業績を讃える追悼論集も出版されており、彼の貢献が今なお法律界で生き続けていることを示しています。特に「行政訴訟の活発化と国民の権利重視の行政へ 滝井繁男先生追悼論集」などは、彼の影響を受けた多くの法律家によって編纂されました。

滝井繁男の活動は、法の専門家としての信念や人権擁護の姿勢を明確に示しており、今日の日本における法律と社会に与えた影響は計り知れません。

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