滝川辰政

滝川 辰政の生涯と業績

滝川 辰政（たきがわ たつまさ）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した武将で、その通称は七郎、内記、丹波、出雲です。彼は天正3年（1575年）に滝川一益の子供として誕生し、若い頃から戦の世界で頭角を現していきました。

初期の経歴

辰政は、まず織田信包に仕官しました。彼のキャリアの初期には、豊臣秀吉による小田原征伐がありました。この戦いの際、北条方から信包の軍に鉄砲が発射されましたが、辰政がその矢面に立ち、弾丸が母衣に当たるだけで済んだという逸話があります。この行動により、彼は信包から高く評価されました。

その後、辰政は浅野長政に仕官し、文禄・慶長の役では朝鮮に渡航し、数多くの武功を挙げました。彼は石田三成にも仕官し、さらに小早川秀秋のもとでも活躍することになります。この時期、辰政は通称を内記に改めました。

関ヶ原の戦いとその後

慶長5年（1600年）、運命の関ヶ原の戦いが勃発します。辰政は主君である小早川秀秋と共に西軍に属していましたが、本戦において寝返りを行う小早川軍の一員として、大谷吉継の軍勢と戦いました。辰政は笹治兵庫とともに奮闘し、戦後の動乱の中で多くの武功を残しました。

戦後、小早川家は岡山藩へと加増・移封されましたが、秀秋が家臣に対して厳しい態度を取ったことが原因で、辰政も出奔することになります。彼は女乗物を利用した計略で追跡をかわし、無事に逃れました。

姫路藩への仕官

その後、姫路藩の池田家に仕官し、荒尾成久などの仲介により2千石を賜りました。この際、丹波と名乗るようになりましたが、後に出雲に改名します。慶長17年（1612年）には、池田輝政から淡路岩屋城を預ける内命があったものの、輝政が急死したために実現しませんでした。

大坂の陣とその後

辰政は、池田家の2代藩主、池田利隆の下で大坂の陣に従軍しました。神崎川一帯での戦闘などで多くの業績を残し、特に利隆の弟である池田忠継を助けるため、果敢に戦況を報告し、渡河を提案しました。この提案が成功し、敵軍は撤退しました。戦後、辰政は戦功によって1千石を加増され、知行は合計3千石となります。

晩年と死

慶安元年（1648年）、70歳を過ぎた辰政は、池田家の3代藩主、池田光政からその功績を賞され、家督を子の宗次に譲って隠居することになります。最終的に彼は慶安5年（1652年）、享年78で病死しました。

まとめ

滝川辰政の生涯は、時代の変遷に合わせて数々の戦での活躍を経験し、多くの知名度と功績を残した武将として評価されています。彼の人生は戦国時代の複雑な人間関係と軍事戦略を象徴するものであり、後の歴史にも影響を与えた人物でした。

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