池田利隆

池田利隆（いけだ としたか）

池田利隆は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての大名で、播磨国姫路藩の第2代藩主であり、岡山藩池田家宗家の2代目当主でもあります。父は池田輝政、母は中川清秀の娘である糸子です。天正12年（1584年）に美濃国岐阜で生まれました。

生涯

幼少期には羽柴氏を称していました。慶長5年（1600年）には、父・輝政と共に上杉景勝征伐に参加し、続いて関ヶ原の戦いでは東軍として戦いました。

慶長8年（1603年）、異母弟の忠継が備前国岡山藩の藩主となると、幼い忠継に代わって執政代行として岡山城に入りました。実質的な領主として、利隆は藩政を主導し、慶長9年（1604年）には慶長検地と呼ばれる領内検地を実施しました。また、兵農分離を行い、前岡山領主であった宇喜多秀家や小早川秀秋らの夫役を廃止するなど、江戸時代における近代的体制の確立に尽力しました。

慶長10年（1605年）には、従四位下侍従に叙任され、右衛門督を兼任しました（この時は豊臣姓）。同年に徳川秀忠の養女である鶴姫（榊原康政の娘）を正室に迎え、幕府との関係を強化しました。慶長12年（1607年）には武蔵守に転任し、松平姓を賜り、松平武蔵守利隆と名乗りました。

慶長18年（1613年）に父・輝政が死去したため、利隆は家督を継承しました。その際、父の後室である義母・良正院の化粧料であった西播磨三郡（宍粟郡・佐用郡・赤穂郡）10万石を弟の忠継に分与したため、姫路藩の所領は42万石となりました。

慶長19年（1614年）からの大坂の陣では、徳川方として参戦し、大坂冬の陣の緒戦である尼崎合戦に参加しました。池田家臣であり従兄弟にあたる池田重利は、尼崎代官として尼崎城を守備した功績により、戦後に1万石を与えられ大名となりました。

元和2年（1616年）6月13日、義弟にあたる京極高広の京都四条の屋敷で病死しました。享年33歳。墓所は京都の妙心寺護国院、岡山県の和意谷池田家墓所、兵庫県姫路市の国清寺にあります。家督は長男の光政が継ぎました。

系譜

正室：鶴子（徳川秀忠養女、榊原康政次女）
長男：光政
次男：池田恒元
長女
次女：長姫（山内忠豊正室）
婚約者：万姫（北条氏直の娘）
生母不明の子女
三男：池田政貞
養女
森寺忠勝娘（森寺長貞室、のち能勢頼隆室）

脚注

注釈

特になし。

出典

岡山県史編纂委員会 編『岡山県史』 第六巻《近世Ⅰ》、岡山県、1984年3月31日。
谷口澄夫『池田光政』吉川弘文館〈人物叢書〉、1987年。
村川浩平『日本近世武家政権論』近代文芸社、2000年。

外部リンク

池田利隆（おかやま人物往来） - 岡山県立図書館
* 池田利隆の生涯について知りたい - レファレンス協同データベース

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