滝良子

滝 良子

滝 良子（たき りょうこ、1945年1月25日 - 2021年8月17日）は、日本のフリーアナウンサー、ラジオパーソナリティです。「そらまめ」の愛称で親しまれ、その温かく飾らない語り口で多くのリスナーに愛されました。

岐阜県高山市出身。明和女子短期大学（現・明和学園短期大学）卒業後、1966年に熊本放送にアナウンサーとして入社し、3年間勤務。その後フリーランスとして活動を開始しました。

フリー転身後、テレビ番組にも出演。1969年から2年間、フジテレビ系『グリコ赤白パネルマッチ』でアシスタントを務めました。また、TBSのドラマ『アイフル大作戦』や『Gメン'75』にも出演し、『Gメン'75』では本人役としてラジオDJを演じています。1974年5月9日放送のTBSテレビ「お天気メモ」出演時の映像も現存します。

滝良子氏の活動の中心はラジオでした。1971年7月からは、TBSラジオの深夜人気番組『パックインミュージック』水曜第2部を担当。番組は「ソラマメ・パック」と呼ばれ、リスナーに浸透しました。当時独身だった滝氏は、同じ境遇の女性リスナーと「ウバ桜の会」を結成し、交流を深めました。番組終了後の1974年9月からは、TBSラジオ『いすゞ歌うヘッドライト〜コックピットのあなたへ〜』月曜深夜枠を担当しました。

彼女のキャリアを代表する番組が、ニッポン放送で1976年10月から7年半にわたりパーソナリティを務めた『全日空ミュージックスカイホリデー』です。日曜夜11時からのこの番組で、滝氏の温かい語り口は多くのリスナーに支持され、聴取率1位を獲得するなど絶大な人気を博しました。ラジオでの活動が主で、他のメディアへの露出は比較的少なかったため、素顔を知らないリスナーも多かったと言われますが、雑誌には顔写真が掲載されることもありました。

1980年に結婚し、その後お子さんを授かりました。『全日空ミュージックスカイホリデー』終了後の1984年4月以降は、家庭を優先し、主婦業に専念するため芸能活動から一時身を引きました。

しかし、復帰を望む声に応え、長い沈黙を経て再びラジオに登場します。2006年7月1日、ニッポン放送『塚越孝のおはよう有楽町』に電話出演し、22年3ヶ月ぶりのメディア登場となりました。同年12月には『イルカのミュージックハーモニー』にゲスト出演し、『ミュージックスカイホリデー』の一部を再現。2007年2月25日には『一夜限りのテイクオフ・ミュージックスカイホリデー』として単発復活放送が行われ、大きな反響を呼びました。

その後も復活放送が続き、2009年10月からは「滝良子のミュージックスカイホリデー」として、ニッポン放送のナイターオフ期間にレギュラー番組として本格的に復活。2010年春まで放送されました。復帰当初、顔写真は公開せず、ニッポン放送の増山さやかアナウンサーデザインの「そらまめ」イラストが使用されました。

晩年、滝氏は2021年8月6日、東京オリンピック観戦中に突然倒れ、意識不明となりました。11日間の闘病後、同年8月17日、肺血栓塞栓症のため76歳で逝去。訃報は8月23日にニッポン放送から発表され、同日の『オールナイトニッポン MUSIC10』で月曜パーソナリティの森山良子氏からリスナーに報告されました。戒名は、ご家族の思いが込められた「空華良豆大姉（くうかりょうとうだいし）」と付けられました。

滝良子氏は、その温かい声と親しみやすい人柄で、日本のラジオ史に確かな足跡を残したパーソナリティでした。その声は、今も多くのリスナーの心の中で生き続けています。

主な出演番組：

ラジオ

TBSラジオ
『パックインミュージック』(水曜、1971年7月 - 1974年8月)
『いすゞ歌うヘッドライト〜コックピットのあなたへ』(月曜深夜、1974年9月 - 1976年2月)
ニッポン放送
『全日空ミュージックスカイホリデー』(1976年10月10日 - 1984年4月1日)
『オールナイトニッポンスペシャル オフコース Thee and Two』(1979年)
『滝良子のミュージックスカイホリデー』(2009年10月 - 2010年4月 / 2010年4月 - 2010年9月)

テレビ

フジテレビ
『グリコ赤白パネルマッチ』(アシスタント、1969年8月 - 1971年8月)
TBS
『アイフル大作戦』(司会役、1973年8月18日、10月6日)
天気予報『お天気メモ』(1974年5月9日)
* 『Gメン'75』(本人役、1976年7月24日)

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