漢江 (中国)

漢江（漢水）

漢江（かんこう、または漢水（かんすい））は、長江の最大の支流であり、全長1,532km、流域面積は17.43万km2に及ぶ大河です。この川は、漢字や漢民族など、漢（王朝）の起源となった重要な川でもあります。

概要

漢水は陝西省漢中市寧強県の嶓冢山を水源とし、東に向かって流れ、湖北省に入り、武漢市で長江に合流します。多くの支流を持ち、主なものとして胥水河、旬河、堵河（最大）、丹江、唐白河などがあります。流域には、漢中市、安康市、十堰市、襄陽市、武漢市などの主要都市が点在しています。上流部には丹江口ダムがあり、南水北調工程（南方の水を北方へ引く国家プロジェクト）の水源として重要な役割を果たしています。

歴史

漢水の歴史は古く、『書経・禹貢』には「嶓冢導漾東流為漢」と記述されています。清代の『嘉慶一統志』には、漢水が寧羌州北の嶓冢山を源流とし、東に流れて沔県南、褒城県南、府治南鄭県南を経て、東南に興安府石泉県へと流入する様子が記されています。しかし、地形の変化により、安康より上流は航行が困難であり、支流は冬季に断流することもあります。

漢水の中・下流域では、都市が川床よりも低い位置にあるため、漢水の氾濫は甚大な被害をもたらすことがありました。1983年には、安康市が漢水の氾濫により大きな損失を被っています。

流域の主要都市

漢中
安康
十堰
南陽
老河口
襄陽
武漢

漢水流域の文化

漢水流域は、その地理、歴史、文化、民俗、宗教などが学術研究の対象として注目されています。この地域独特の文化や風習は、長江文明の一翼を担う重要な要素として評価されています。

関連項目

江漢平原
* 両湖平原

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