澁谷知美

澁谷知美（しぶや ともみ）は、1972年生まれの日本の女性社会学者です。東京経済大学全学共通教育センター教授として教鞭を執っています。大阪市西区で生まれ、千葉県で育ちました。早稲田大学第一文学部人文専修を1995年に卒業後、東京大学大学院教育学研究科に進学し、教育[[社会学]]と社会学を専攻しました。2007年より東京経済大学現代法学部専任講師、准教授を経て、現職に至ります。2009年には、東京大学から博士（教育学）の学位を「青少年男子の性的身体の管理をめぐる社会史 1890～1940年代の就学者層を中心に」と題した論文で取得しました。

澁谷氏は、国際日本文化研究センターの「性欲の文化史」共同研究員や、センス・オブ・ジェンダー賞の選考委員も務めました。彼女の研究テーマは、ジェンダーと男性のセクシュアリティを中心に展開され、特に男性の身体や性に関する歴史的・社会的な考察を深く掘り下げています。日本社会学会と日本医史学会の会員でもあります。

主要な著書

澁谷知美は、数多くの著作を出版しており、その中でも特に注目されるのは以下の書籍です。

単著
『日本の童貞』（2003年、文藝春秋、2015年河出書房新社より再刊）
『平成オトコ塾―悩める男子のための全6章』（2009年、筑摩書房）
『立身出世と下半身―男子学生の性的身体の管理の歴史』（2013年、洛北出版）
『日本の包茎』（2021年、筑摩書房）

これらの著書では、日本の男性のセクシュアリティに焦点を当て、歴史的な視点からその変遷を詳細に分析しています。特に『日本の童貞』と『日本の包茎』は、一般にも広く知られ、社会的な関心を集めています。

共編
『性的なことば』（2010年、講談社、斎藤光、三橋順子、井上章一との共編）
『どうして男はそうなんだろうか会議』（2022年、筑摩書房、清田隆之との共編）

これらの共編著では、性に関する多様な側面からの議論を深め、ジェンダー研究の発展に貢献しています。

主要な論文

澁谷知美は、多くの学術論文も発表しており、その研究成果は学術界でも高く評価されています。

単著論文
「立身出世と書生のセクシュアリティ--1880年代半ば〜1890年代初頭の知識人の言論を中心に」（1998年、東京大学大学院教育学研究科紀要）
「<花柳病>と青少年男子のセクシュアリティ : 明治末期～昭和初期の都市部就学者層を中心に」（1999年、日本教育[[社会学]]会大会発表要旨集録）
「学生風紀問題」報道にみる青少年のセクシュアリティの問題化 (1999年、教育[[社会学]]研究)
「フェミニスト男性研究」の視点と構想（2001年、社会学評論）
「女子とお笑い (特集 文化系女子カタログ) -- (萌えとお笑いのゆくえ)」（2005年、ユリイカ）
「戦前期日本の医学界で仮性包茎カテゴリーは使われていたか : 1890-1940年代の実態調査の言説分析」（2017年、人文自然科学論集）
「母たちの包茎戦争 : あるいは1980-2010 年代の小児包茎言説は何を語っていないのか 」(2017年、人文自然科学論集)
「仮性包茎手術を正当化する言説の1970-90 年代における変容 : 「医療化された男らしさ」概念を手がかりとして」（2018年、人文自然科学論集）

共著論文
「高度成長期の勤労青少年のスポーツ希求はその後どうなったのか」（2011年、スポーツ社会学研究、広田照幸、河野誠哉、堤孝晃との共著）

これらの論文は、澁谷氏の研究テーマである男性のセクシュアリティ、ジェンダー、教育[[社会学]]といった分野において、重要な貢献をしています。

外部リンク

澁谷知美の研究活動や著作に関する詳しい情報は、以下のリンクから確認できます。

Tomomi Shibuya's Site
澁谷知美サイト別館旧サイトログ
東京経済大学全学共通教育センター教員紹介

これらの情報を通じて、澁谷知美の研究活動の多様性と深さを理解することができるでしょう。

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