澤井良輔

澤井 良輔（さわい りょうすけ）

1978年（昭和53年）3月9日に千葉県銚子市で誕生した澤井良輔氏は、かつてプロ野球選手として内野のポジションで活躍しました。

野球を始めたきっかけと高校時代の輝き

幼少期、特に小学生の頃は運動が得意ではなかったという澤井氏。しかし、周囲の友人との仲間意識を大切にしたいという思いから、小学4年生で野球の世界に足を踏み入れました。当初は右打者でしたが、中学3年生の時に左打ちを試したところ、それまで以上の飛距離が出ることを発見し、以降は左打席に立つようになりました。

高校は、自身の憧れであったプロ野球選手、篠塚利夫氏（現・篠塚和典）の母校である千葉県立銚子商業高校に進学。強打者としてチームの中心となり、その才能を開花させました。3年生時には、選抜高等学校野球大会と全国高等学校野球選手権大会に連続で出場。春の選抜ではチームを準優勝に導き、夏の選手権でも3回戦まで駒を進めました。この頃には、その卓越したパワーとスター性が高校球界で高く評価され、「プロ級」と評される存在に。関西に福留孝介氏がいたことから、「西の福留、東の澤井」と並び称されるほどの注目を集める存在となりました。福留氏とは良好な関係を築いていましたが、メディアが二人の比較やライバル関係を強調することに対しては、快く思っていなかったようです。

プロ野球での歩みと度重なる試練

1995年度のドラフト会議では、福留孝介氏を巡る指名が交錯した後、千葉ロッテマリーンズから1位指名を受けました。当時はセントラル・リーグでのプレーや、アマチュア選手としてオリンピックに出場することも検討していましたが、当時のロッテがボビー・バレンタイン監督のもとでリーグ2位と躍進を遂げていたこと、そして女手一つで支えてくれた母親への恩返しをしたいという強い思いから、プロ入りを決意しました。

しかし、プロの世界は厳しく、入団1年目からプロの変化球への対応に苦慮しました。大卒選手が活躍する様子を見て、自身も大学に進学すべきだったかと後悔の念を抱いたこともあったといいます。1997年には、将来の成長を期して、アメリカのルーキーリーグに所属するアリゾナ・パドレスへの野球留学を経験しました。その後、プロ入り4年目には肘の手術を受けるなど、怪我に悩まされる時期が続きます。2000年には待望のプロ初安打を記録し、2002年にはシーズン開幕戦にスタメンとして起用されるなど、一時期は主力としての期待もかかりました。しかし、2003年に右肩を故障したことが再び暗い影を落とし、出場機会が大幅に減少。最終的に、2005年シーズンの終了をもって球団から戦力外通告を受け、現役続行への道を探るトライアウトには参加せず、プロ野球選手としてのキャリアを終えました。

現役引退後の活動

プロ野球界を退いた後も、澤井氏は野球との関わりを持ち続けました。森田健作氏が立ち上げた社会人クラブチーム、『千葉熱血MAKING』に選手兼任コーチとして参加。また、インターネット放送局の野球中継で不定期ながら解説者も務めました。2006年9月には、千葉熱血MAKINGのライバルチームである「サウザンリーフ市原」へ移籍し、引き続き選手兼任コーチを務めました。

2008年には、独立リーグであるベースボール・チャレンジ・リーグ（BCリーグ）に所属する群馬ダイヤモンドペガサスの野手コーチに就任（当時の背番号は99）。しかし、2009年シーズン限りでこの職を退任しました。

野球指導の現場を離れた2010年からは、一般企業であるメットライフアリコ（現在のメットライフ生命）に勤務し、営業職として新たなキャリアを歩んでいます。

プロ野球における主な記録

初出場: 1998年9月8日、対福岡ダイエーホークス戦（千葉マリンスタジアム）にて、7回裏に代打で登場。
初安打: 2000年6月1日、対大阪近鉄バファローズ戦（千葉マリンスタジアム）。9回裏、ボブ・ウォルコット投手からセンター前に放った。
初本塁打・初打点: 2000年6月8日、対日本ハムファイターズ戦（千葉マリンスタジアム）。9回裏、伊藤剛投手からライトへソロ本塁打を記録。
初先発出場: 2000年6月9日、対西武ライオンズ戦（西武ドーム）で、8番・三塁手としてスターティングメンバーに名を連ねた。

背番号

10 （千葉ロッテマリーンズ、1996年 - 2004年）
32 （千葉ロッテマリーンズ、2005年）
* 99 （群馬ダイヤモンドペガサス、2008年 - 2009年）

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