激突!!新日本プロレス対UWFインターナショナル全面戦争

激突!!新日本プロレス対UWFインターナショナル全面戦争

1995年10月9日、東京ドームで、新日本プロレスとUWFインターナショナルの合同興行「激突!!新日本プロレス対UWFインターナショナル全面戦争」が開催され、6万7000人の観客を集める大成功を収めました。これは当時のドームでの観客動員新記録となり、今もなお、この記録は破られていません。

背景と決定

この興行の背景には、新日本プロレスに参加した山崎一夫の処遇問題がありました。長州力と高田延彦は電話会談を行ったものの、協議は決裂。長州はその直後に急遽東京ドームを押さえ、全面対抗戦を決めました。試合は全て団体対抗戦として組まれ、オープニング以外は全てシングルマッチという異例のカードとなり、平日にもかかわらず多くのファンが集まりました。

競技・観戦風景

会場は入場希望者で溢れ、最終的には封鎖していた外野席も開放されるほどでした。試合前後には熱狂的なファン同士が外で口論となり、入場できなかった観客は試合結果を会場の外で漏れ聞く音楽によって知り、喜んだり悲しんだりしました。特に大がかりな演出がなかった中で、選手同士の真剣勝負感が観客をさらに引き込む要因となりました。

試合の詳細

試合結果としては、新日本プロレスが5勝3敗でUWFインターナショナルに勝利しました。特に長州は自身が安生洋二と対戦し、わずか4分05秒で圧倒的な勝利を収めました。試合後、安生は前回のヒクソン・グレイシーとの戦いによるバッシングを受けており、この敗北がプロレス界復帰のきっかけとなるとの見解を示しました。

また、UWF陣営の高田は、試合当日にIWGPヘビー級タイトルも賭けられる試合が予定されていましたが、最高顧問のルー・テーズの反対に遭い、IWGPタイトルのみが賭けられました。武藤敬司はこれを見事に制し、その後のキャリアにおいて重要な技となるドラゴンスクリューからの足4の字固めを決めました。

影響と記憶

この興行はニュースでも取り上げられ、高い注目を集めたことから、新日本とUWFにとって特別な意味を持つイベントとなりました。長州が試合前に発言した「俺から正面タックル一本でも取れたら、あいつらの勝ちでいいぞ」という言葉も話題となり、結果として長州が一度もテイクダウンを許さなかったことが強い印象を残しました。

武藤はこのイベント後に得た経験を元に、「ムーンサルトに頼らない大人のプロレスができるようになった」と述べ、試合が彼にとっての転機であったことを明言しました。この日、武藤の堂々たる入場は、以後新日本プロレスにおける入場スタイルにも影響を与え、他の多くの選手が彼に倣うようになりました。

このように「激突!!新日本プロレス対UWFインターナショナル全面戦争」は日本のプロレス史に刻まれる一戦となり、今もなお多くのファンに語り継がれています。

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