濱島敦俊

濱島敦俊（はましま あつとし）は、1937年生まれの日本の歴史学者、東洋史学者です。東京大学で文学博士号を、国立民族学博物館で学術博士号を取得しています。大阪大学名誉教授の称号を持ち、専門は宋代から清代にかけての中国社会経済史です。また、中国各地でのフィールドワークを通じて、未解明の民間信仰の研究にも力を注ぎました。

鹿児島県喜入村瀬々串（現在の鹿児島市喜入瀬々串町）出身。鹿児島県立甲南高等学校を経て、1962年に東京大学文学部を卒業後、同大学院に進学しました。1965年には東京大学東洋文化研究所の助手となり、その後、高知大学文理学部助教授、北海道大学文学部助教授を歴任しました。中国社会科学院近代史研究所客員研究員も務めた経験があります。

1985年、大阪大学文学部助教授（東洋史学）に着任し、1987年に教授に昇任、2001年まで務めました。2001年からは台湾の国立曁南国際大学歴史学系教授として教鞭を執り、2015年までその職にありました。

主な著書として、『明代江南農村社会の研究』（東京大学出版会、1982年）があります。この著書では、明代の江南地方の農村社会における経済構造や社会関係を詳細に分析し、中国社会経済史研究に大きな影響を与えました。また、『総管信仰　近世江南農村社会と民間信仰』（研文出版、2001年）では、江南地方の民間信仰である総管信仰に焦点を当て、その歴史的展開や社会的な意味を考察しています。

その他、『世界史への問い 2　生活の技術　生産の技術』（共著、岩波書店、1990年）では、世界史的な視点から生活と技術の関係を考察しています。監訳書としては、『図説 台湾の歴史』（周婉窈 著、平凡社、2007年）があり、台湾の歴史研究にも貢献しています。

濱島敦俊は、中国社会経済史研究における重要な貢献者であり、その研究は、中国社会の歴史的変遷を理解する上で欠かせないものとなっています。また、民間信仰の研究を通じて、中国社会の多様な側面を明らかにし、学術界に大きな影響を与え続けています。

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