瀬川佳英

瀬川 佳英（せがわ かえ）は、12月14日生まれ、大阪府池田市出身の元宝塚歌劇団花組男役スターです。梅花学園中等部を卒業しており、愛称は「ピノ」。また、日舞名取としては松本かえの名を持っています。

幼い頃から宝塚歌劇に強い関心を抱き、宝塚コドモアテネで学んでいました。中学校卒業後、宝塚音楽学校に首席で入学するという、類稀なる才能を示しました。

1976年、宝塚大劇場で上演された名作『ベルサイユのばらⅢ』で記念すべき初舞台を踏みました。宝塚歌劇団第62期生として入団した際の成績は、48人中第2位という優秀なものでした。また、入団後まもなく第13期バンビーズの一員としても活動しています。

花組に配属されたのは1977年5月17日のこと。以来、男役スターとして活躍の場を広げていきます。1979年には宝塚テレビロマン『はいからさんが通る』に藤原蘭丸役で出演し、映像の世界でもその存在感を示しました。舞台では、1980年の『友よこの胸に熱き涙を』において、新人公演で初めて主演を務めます。これは、当時のトップスターであった松あきら、順みつきが務めたハンス役でした。

彼女は特にダンスに定評があり、舞台上でダイナミックかつ繊細な表現力を見せました。新人公演では、『花小袖』の禅竹元信、『ファースト・ラブ』のダイヤモンド1、『エストレリータ』のジュリアーノ、『アルカディアよ永遠に』のジョー、『夜明けの序曲』の川上音二郎、『霧深きエルベのほとり』のカール・シュナイダーなど、主要な作品で本役スターの重要な役どころを数多く演じています。これらの経験は、彼女の舞台人としての幅を広げたことでしょう。

宝塚バウホール公演でも活躍し、1986年には『不思議なカーニバル』でバウホール公演の初主演を果たしました。この作品ではザミエル役を演じ、改めてその実力を認めさせました。他にもバウ公演では、『恋の特ダネ』『ミステリー・ラブ』『イブにスローダンスを』『アンダーライン』『オクラホマ!』『タイム・アダージオ』『第1回バウ・コンサート』などに出演しています。

本公演では、『夜明けの序曲』のジョージ、『愛あれば命は永遠に』のベートーベン、『テンダー・グリーン』のスタウト、『アンドロジェニー』のジョルジュ・サンド、『遥かなる旅路の果てに』のマローニン刑事、『あの日薔薇一輪』のフランク（本役代役も経験）、『キス・ミー・ケイト』のマックス、『ロマノフの宝石』のアンジェロなど、個性的な役や重要な役を演じました。

宝塚歌劇団時代の最後の舞台は、1989年11月2日に幕を開けたニューヨーク公演でした。『TAKARAZUKA』（『宝塚をどり讃歌』／『タカラヅカ・フォーエバー』）という演目での海外公演を最後に、惜しまれながら退団しました。

宝塚歌劇団を退団した現在、瀬川佳英氏は主に岡山市でダンス教師として活動しています。長年培ってきた表現力と指導力を生かし、後進の育成に情熱を注いでいます。ダンサー、振付家、演出家としての経験も持ち合わせており、その多才さを現在の活動にも活かしているものと思われます。

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