瀬戸町 (岡山県)

岡山県瀬戸町の歴史と変遷

瀬戸町は、かつて岡山県赤磐郡に位置した町です。2007年1月22日に岡山市に編入され、その歴史に幕を閉じました。現在は岡山市東区の一部として、その名を瀬戸地域に残しています。ここでは、瀬戸町が誕生する以前の物理村（もどろいそん）の時代から、町としての終焉までを詳しく見ていきましょう。

古代から中世

この地域は、吉備国が栄えた古墳時代には瀬戸内海の海岸線に面していました。そのため、「江尻」や「潟瀬」といった地名が、かつての海岸線であったことを物語っています。奈良時代には班田制が敷かれ、条里制の跡が今もなお、瀬戸駅周辺に見られる碁盤目状の道路として残っています。中世には、物理氏などの豪族がこの地を支配していました。

近代から現代へ

1889年（明治22年）には、森末村、寺地村、光明谷村、瀬戸村、下村、沖村が合併し、磐梨郡物理村が発足しました。1891年（明治24年）には山陽鉄道（現在のJR山陽本線）が岡山まで延伸し、瀬戸駅が開業。これにより、旅客・貨物の取り扱いが開始され、地域は発展を遂げました。1900年（明治33年）には所属郡が赤磐郡に変更となり、1915年（大正4年）には物理村が町制を施行し、瀬戸町が誕生しました。

1955年（昭和30年）には、瀬戸町は万富町、潟瀬村、玉井村と合併し、新たな瀬戸町として再出発しました。しかし、2006年（平成18年）には岡山市との合併協定が締結され、2007年（平成19年）1月22日に岡山市と編入合併し、瀬戸町は姿を消しました。2009年（平成21年）4月1日には岡山市が政令指定都市に移行し、瀬戸地区は東区の一部となりました。2012年（平成24年）1月21日には、瀬戸町合併特例区が終了し、瀬戸町としての行政区画は完全に消滅しました。

瀬戸町の行政

瀬戸町の最後の町長は土井堅郎氏で、1995年1月20日に就任しました。合併後には合併特例区長を務めました。

姉妹都市・提携都市

瀬戸町は、愛媛県西宇和郡伊方町と提携関係にありました。1987年7月には、旧愛媛県瀬戸町と姉妹都市提携を締結しました。これは、両町が同じ「瀬戸」という名前であったことが縁となりました。

瀬戸町の教育

瀬戸町には、多くの教育機関がありました。

大学・短期大学

• - 神戸女子大学瀬戸短期大学：1989年に開校しましたが、2004年に閉校しました。跡地は合併後の2007年4月1日から環太平洋大学の一部となっています。

高等学校・高等支援学校

• - 岡山県立瀬戸高等学校
• - 岡山県立瀬戸南高等学校
• - 岡山県立岡山瀬戸高等支援学校

中学校

• - 瀬戸町立瀬戸中学校
• - 瀬戸町立万富中学校：1963年に瀬戸中学校と合併しました。

小学校

• - 瀬戸町立江西小学校
• - 瀬戸町立千種小学校

瀬戸町出身の著名人

瀬戸町は、多くの著名人を輩出しました。

• - 大久保重五郎：明治時代の篤農家で、モモの品種「白桃」を開発しました。
• - 宇垣一成：日本陸軍の軍人、政治家として活躍しました。
• - 宇垣纏：日本海軍の軍人です。
• - 片山善博：鳥取県知事を務めました。
• - 川田伸一郎：動物学者であり、国立科学博物館の研究員です。

まとめ

瀬戸町は、古代から現代まで、長い歴史の中で変遷を遂げてきました。その歴史は、地域の文化や人々の生活に深く根ざしており、今もなお、その影響は岡山市東区に色濃く残っています。

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