脇浜町

神戸市中央区脇浜町：商業と工業が交差する歴史ある地域

神戸市中央区東部、灘区に隣接する脇浜町は、その名の通り浜辺に位置する、商業と工業が混在する活気あふれる地域です。一丁目から三丁目まで分かれ、それぞれのエリアに個性豊かな施設や企業が点在しています。

地理と交通

脇浜町は、工場、オフィスビル、商店、集合住宅が密集する商業・工業地域です。一丁目は町の北東部、二丁目は南東部、三丁目は南西部に位置し、東は灘区の岩屋町、南は脇浜海岸通、西は南本町通、北本町通、吾妻通、北西は筒井町、北は割塚通に接しています。

町の東西を貫くように国道2号と阪神高速3号神戸線が走り、地下には阪神本線が東西に走っています。この地は、古くから交通の要衝として重要な役割を果たしてきたことがわかります。

各丁目には様々な施設が立地しています。一丁目には神鋼環境ソリューション、神鋼病院、神戸朝鮮初中級学校、神戸市立科学技術高等学校・神戸市立神戸工科高等学校、脇浜公園などがあります。二丁目には浄土宗阿弥陀寺、南宮宇佐八幡神社、神戸脇浜郵便局、みのり保育園、脇浜西公園、神戸市環境局中央事業所、関西電力葺合変電所などがあります。三丁目には日本香料薬品、住友ゴム工業本社、春日野道商店街などがあります。

歴史と変遷

「脇浜」という地名は、敏馬神社のある敏馬浦・敏馬崎の脇の浜に由来すると言われています。神功皇后の三韓征伐にまつわる伝説や、法然上人の上陸伝説も伝えられていますが、これらは付会説と見られています。

江戸時代には脇浜村として存在し、明治8年頃に葺合村の一部となりました。明治39年（1906年）、神戸市葺合町の一部として脇浜町が成立し、昭和6年（1931年）の区制施行により神戸市葺合区に、昭和55年（1980年）の区の再編により神戸市中央区に属することになりました。昭和47年（1972年）には、一部が脇浜海岸通および割塚通一～七丁目となりました。

明治時代には、神戸臨港線（2003年廃線、現在は遊歩道）や神戸電気鉄道（後の市電、1968年廃止）が通り、神戸港や神戸製鋼所とを結び、神戸の発展に貢献しました。また、明治38年（1905年）開通の阪神本線は、昭和8年（1933年）に岩屋～三宮間で地下線化されました。

明治41年（1908年）からは西側の海面埋め立てが進み、葺合港が築造されました。神戸製鋼所（現在の神戸製鋼所）が独立したのは明治44年（1911年）で、大正時代には神戸製鋼所と川崎造船所が進出し、埋立地が完成。国道2号以南の埋立地は、大正10年（1921年）に脇浜海岸通と名付けられました。

昭和29年（1954年）には、神鋼環境ソリューションの前身となる神鋼ファウドラーが設立されました。また、昭和50年（1975年）に建てられた川崎製鉄西山記念会館は、平成23年（2011年）に閉館、解体されています。平成6年（1994年）には、住友ゴム工業の新本社ビルが建設されました。

人口変遷

脇浜町の人口は、時代とともに変化を遂げてきました。大正9年（1920年）には人口8,545人、昭和35年（1960年）には3,665人、昭和60年（1985年）には869人、平成22年（2010年）には3,013人でした。

まとめ

脇浜町は、歴史と現代が融合した、独特の雰囲気を持つ地域です。工業地帯としての発展と、港湾都市神戸の歴史が深く刻まれたこの町は、これからもその発展を続けていくことでしょう。周辺地域との連携を強化し、より住みやすく、魅力的な地域へと進化を続けることが期待されます。

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