灘風 (駆逐艦)

灘風（なだかぜ）について

灘風は日本海軍が保有していた駆逐艦で、峯風型の5番艦として建造されました。この艦の名は、灘に吹く風に由来しています。1930年代から1940年代にかけて日本海軍の重要な役割を果たし、多くの戦闘や作戦に参加しました。

艦歴

灘風は舞鶴海軍工廠で建造され、一等駆逐艦として分類されました。その後、横須賀鎮守府に所属し、就役と同時に第三駆逐隊に割り当てられました。1937年から1939年にかけては日中戦争の影響で華中及び華南地域での沿岸作戦を遂行しました。特に1938年12月に第三駆逐隊が解隊された後、灘風は馬公要港部に所属し、1940年1月には予備艦となりました。

1940年4月には艦種を改造し、哨戒艇に変わりました。そして、艦名も「第二号哨戒艇」と改名されました。太平洋戦争が開戦する直前には、後甲板と艦尾の改造が行われ、大発2隻を搭載可能な強襲揚陸艦へと変化しました。この際、搭載していた12cm単装砲と魚雷兵装は撤去され、陸戦隊約250名を収容できる居住区が新設されました。

戦争での活躍

開戦後、灘風はフィリピンや蘭印の攻略作戦に参加し、その後は西部ニューギニアでの戡定作戦にも従事しました。また、ラバウル方面での対潜哨戒や人員輸送、船団護衛など多様な任務を行いました。1943年1月には内地に帰還し、第1海上護衛隊に編入されます。以降、高雄を基点にして門司、サイゴン、シンガポール、マニラといった地域での船団護衛を担当しました。1943年12月には第22特別根拠地隊に編入され、バリクパパンを拠点にして更なる護衛任務を続けました。

沈没

しかし、戦局が厳しくなる中、1945年7月25日には小スンダ列島のロンボク海峡でイギリスの潜水艦「スタッボーン」による雷撃を受け、沈没しました。灘風の歴史は、当時の激動の背景を反映し、多くの任務に従事することで日本海軍の一翼を担いました。

歴代艦長

艦長には多くの兵士が名を連ねており、特に江口喜八少佐は艤装員長から駆逐艦長として長い期間指揮をとりました。その後も様々な艦長が登場し、それぞれの時代において灘風の運命を左右しました。

参考文献

• - 『丸スペシャル』第51号 日本の駆逐艦Ⅱ、潮書房、1981年。
• - 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。
• - 海軍歴史保存会編『日本海軍史』第7巻、第9巻、発売：第一法規出版、1995年。

灘風は、艦艇としての使命を全うしながら、日本海軍の戦歴を象徴する重要な存在でした。

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