火星17

火星17（Hwasong-17）

火星17（かせい17）は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）が開発した大陸間弾道ミサイル（ICBM）です。このミサイルは、その強力な射程と特異なデザインから国際的な注目を集めています。全長は約23メートル、直径は2から3メートルとされ、特に米国全土を攻撃可能な性能を持つと主張されています。

歴史的背景

火星17の存在が初めて明らかになったのは、2020年10月10日に開催された朝鮮労働党的な軍事パレードです。それから約2年後の2022年3月24日に初めての発射が行われました。このミサイルは、その製造過程や実験の結果を踏まえ、北朝鮮のミサイル開発プログラムの進展を示しています。

発射実験が行われた2022年には、2度の発射が試みられたものの、2回目の試みは失敗に終わりました。2023年2月8日には、建軍記念日の軍事パレードにおいて10基の火星17が披露され、その後の3月16日には、発射の成功を発表しました。このとき、宇宙空間に達した後に地球を撮影した映像も公開され、多くの関心を集めました。

設計構造

火星17は、22輪の大型輸送起立発射機（TEL）を用いて運搬され、発射されます。この輸送システムは、ミサイルの大型化した設計を支える重要な要素となっています。特に、このミサイルに搭載される弾頭が軽量であれば、射程は15,000キロメートルに達する可能性が高いとされています。このことから、火星17は米国全土だけでなく、さらに広範な地域に影響を及ぼすことができるとみられています。

専門家の見解

例えば、日本の防衛大臣である浜田靖一氏は、火星17に軽量な弾頭が搭載されれば、アメリカ全土を射程に入れる可能性があると指摘しました。また、カーネギー国際平和基金の専門家アンキット・パンダも、火星17のミサイル実験が米国に向けて発信された場合、米国本土のどこにでも到達する可能性があるとしています。

態度と反響

火星17の発射は、北朝鮮の軍事的な威圧の象徴となっており、特に韓国では「モンスター」として恐れられています。このような環境政策や安全保障面での懸念は、地域的な緊張を高める要因となっています。国際社会では、北朝鮮の核兵器開発を抑制するための対策が模索されていますが、火星17の存在はその議論を一層複雑にしています。

結論

火星17は、北朝鮮の軍事的力を象徴する存在であると同時に、国際的な安全保障の観点から重大な脅威を意味します。その高い射程や発射能力、さらには技術的な進展は、今後の地政学的なバランスに影響を与える可能性があるため、今後も注視する必要があります。

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