炎の少女チャーリー (2022年の映画)

映画『炎の少女チャーリー』（2022年）

概要

2022年に公開されたアメリカ合衆国のSFホラー映画『炎の少女チャーリー』は、ホラーの巨匠スティーヴン・キングが1980年に発表した同名小説を原作としています。本作は、1984年に製作された同名の映画のリブート作品にあたります。キース・トーマスが監督を務め、主要キャストとしてザック・エフロン、ライアン・キエラ・アームストロング、シドニー・レモン、マイケル・グレイアイズ、カートウッド・スミスらが名を連ねています。

あらすじ

物語の中心となるのは、驚異的な超能力を秘めた11歳の少女チャーリー・マッギーと、彼女の父親アンディ・マッギーです。チャーリーは物質を発火させるパイロキネシス（放火能力）という強大な力を持っており、一方のアンディは、他者の思考に干渉するテレパシー能力者です。彼らの能力のルーツは、過去に行われたある実験にあります。その危険な力を制御できずに苦悩するチャーリーと、彼女を守ろうとするアンディは、娘の能力を軍事利用しようと目論む政府の秘密機関「ショップ」から執拗に追われることになります。父娘は追跡を逃れるため、止まることのできない過酷な逃亡生活を強いられます。

主要登場人物

アンディ・マッギー（演：ザック・エフロン、日本語吹替：森田成一）
チャーリーの父親であり、テレパシー能力を持っています。娘を守るため、共に逃亡します。
チャーリー・マッギー（演：ライアン・キエラ・アームストロング、日本語吹替：久野美咲）
物語の主人公。11歳。感情が昂ると周囲のものを発火させる、非常に強力なパイロキネシス能力者です。
ヴィッキー・マッギー（演：シドニー・レモン、日本語吹替：松井茜）
チャーリーの母親であり、アンディの妻です。
ジョン・レインバード（演：マイケル・グレイアイズ、日本語吹替：根本泰彦）
父娘を追う政府の秘密機関「ショップ」の責任者。原作通り、北米先住民の背景を持つ人物です。
ジョーゼフ・ウォンレス（演：カートウッド・スミス）
映画における重要な登場人物の一人です。
キャプテン・ジェーン・ホリスター（演：グロリア・ルーベン、日本語吹替：八十川真由野）
レインバードの側近として、「ショップ」の追跡活動を指揮します。

他にも、ジョン・ビーズリーがアーヴ・マンダーズ役で出演しています。

製作の経緯

本作のリブート企画は、ユニバーサル・ピクチャーズとブラムハウス・プロダクションズ主導のもと、2017年4月27日に初めて発表されました。当初はアキヴァ・ゴールズマンが監督兼プロデューサーを務める予定でしたが、監督は後にファティ・アキン、そして最終的にキース・トーマスに引き継がれました。脚本はスコット・ティームズが担当しています。

主要キャストの決定は段階的に進められました。2020年9月にはザック・エフロンが父親役での出演が報じられ、2021年2月にはマイケル・グレイアイズの参加が発表されました。さらに、チャーリー役のライアン・キエラ・アームストロング、母親役のシドニー・レモン、レインバードの側近役となるグロリア・ルーベンなどがキャスティングに加わりました。

主要撮影は、2021年5月25日からカナダのオンタリオ州にあるトロントとハミルトンで行われ、同年7月16日に無事終了しました。

音楽

映画音楽は、ホラー映画界の巨匠としても知られるジョン・カーペンターが、息子であるコーディー・カーペンター、そしてダニエル・デイヴィスと共に手掛けています。彼らが作り出すスコアは、物語の緊迫感や超常的な要素を音楽面から支えています。

公開

『炎の少女チャーリー』は、米国で2022年5月13日にユニバーサル・ピクチャーズ配給により公開されました。公開形態は、劇場上映とストリーミングサービス「Peacock」での同時配信という形が取られました。これに先立ち、2022年2月9日には公式予告編が公開され、注目を集めました。

この作品は、スティーヴン・キングの描く超能力というテーマと、それを巡る政府の陰謀、そして父娘の絆という普遍的な要素を、現代的な視点と映像技術で再構築したリブート作品として位置づけられています。

もう一度検索