点の記

「点の記」とは、三角点、水準点、基準多角点といった基準点の設置や測量に関する記録を指します。これらの記録は、基準点の選定、埋標、観測といった各段階における詳細な情報を提供します。具体的には、作業が行われた日付、担当者名、そして基準点に到達するための詳細な道のりが記載されています。

概要

点の記には、基準点の選点、埋標、観測に関する情報が網羅されています。各段階の日付と担当者名が記録され、基準点までの道のりや周辺状況が詳しく記述されています。これらの記録は、国土地理院で照会することが可能です。

国土地理院の前身である参謀本部陸地測量部の時代、1888年（明治21年）以降の記録が現存しており、日本の地形測量の歴史を物語る貴重な資料となっています。現在の国土地理院が発行する地図は、この陸地測量部による5万分の1地形図が原型となっています。点の記は、地図作成の基礎となるデータを提供し、正確な地図作成に不可欠な役割を果たしています。

記載内容

点の記には、基準点の詳細な情報が記録されています。主な記録項目は以下の通りです。

点名: 各基準点に付けられた固有の名称。
設置区分: 基準点の種類（三角点、水準点など）。
柱石長: 基準点に用いられる標石の長さ。
所在地: 基準点の正確な位置情報。
所有者: 基準点が設置されている土地の所有者。
選点の日付と選点者名: 基準点を選定した日付と担当者の氏名。
設置の日付と設置者名: 基準点を設置した日付と担当者の氏名。
観測の日付と観測者名: 基準点の観測を行った日付と担当者の氏名。
自動車到達地点: 自動車で到達可能な基準点への最寄りの場所。
歩道状況: 基準点への徒歩ルートの状況。
徒歩の時間と距離: 基準点まで徒歩で移動する時間と距離。
周囲の状況: 基準点周辺の地形や環境に関する情報。
履歴: 基準点の過去の記録や変更履歴。
備考: 特記事項や補足情報。
要図: 基準点の位置を示すための地図。

これらの記録項目は、基準点の設置から維持管理まで、その全過程を詳細に把握するために重要です。

関連情報

点の記に関連する情報として、以下のものが挙げられます。

電子基準点: GPS技術を利用した高精度な基準点。
劒岳 点の記: 新田次郎の小説で、参謀本部陸地測量部による剱岳測量の様子を描いた作品。点の記が物語の背景として用いられています。
基準点成果等閲覧サービス: 国土地理院が提供する、基準点の成果を閲覧できるオンラインサービス。
* 剱岳の三等三角点の記: 国土地理院報道発表資料の添付資料として、剱岳の三角点の記録に関する情報が公開されています。

これらの関連情報は、点の記の重要性や歴史的背景を理解する上で役立ちます。点の記は、地図作成の基礎となるだけでなく、測量技術の進歩や歴史を伝える重要な資料と言えるでしょう。

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