烏山 (土浦市)

烏山

茨城県土浦市の南東部に位置する烏山（からすやま）は、現在の行政区域として、烏山一丁目から烏山五丁目が設定されています。郵便番号は300-0836が割り当てられています。

地勢と位置

烏山の町域は、土浦市域の南東端付近、花室川の南岸に広がっています。この地域の北側は大岩田（おおいわだ）と隣接し、東から南にかけては稲敷郡阿見町（あみまち）の阿見地区と境を接しています。また、町域の西側は右籾（みぎもみ）に面しています。町域の北辺を東へ流れゆく花室川は、地域の地形を特徴づける要素の一つです。

地域に刻まれた歴史

烏山の地には、特に戦時中に大きな変化が訪れました。当時の海軍は、近隣に設置された第一海軍航空廠に関連する施設をこの地域に整備しました。旧来の行政区分で「1区」と呼ばれた場所には、工員を養成するための施設（現在の市営南ヶ丘住宅の敷地に相当）や、資材を分散させて保管する倉庫群（旧烏山公民館周辺）が設けられました。さらに「2区」には、自動車関連の設備、屋外での飛行機繋留地、そして簡素な無蓋（むがい）の掩体壕（えんたいごう）などが配置されました。

戦後の復興期を経て、昭和40年代になると、地域の景観は再び大きく変貌します。茨城県住宅供給公社が中心となり、かつての本村の北側にある丘陵地帯で、数百戸規模の大型団地造成計画が推進されました。この造成地が後に分譲住宅として販売された結果、多くの人々がこの地に移り住むこととなり、烏山の人口は急速に増加しました。

行政区画の変遷

烏山村は、1889年（明治22年）4月1日に施行された町村制（明治の大合併）により、周辺の七つの村と合併し、村としての独立した歴史に区切りをつけました。この再編により、烏山は信太郡（しだぐん）東村（あずまむら）の大字（おおあざ）烏山として組み込まれました。

その後、1896年（明治29年）4月1日には郡の制度が変更され、信太郡が廃止されて稲敷郡（いなしきぐん）が設置されました。これと同時に、東村は村からの請願を受けて新治郡（にいはりぐん）へと所属郡を変更し、新治郡東村大字烏山となりました。

時代が下り、1939年（昭和14年）6月1日には、東村が土浦町（つちうらまち）に編入される決定がなされ、この地域は新治郡土浦町大字烏山の一部となります。さらに翌年の1940年（昭和15年）11月3日には、土浦町が眞鍋町（まなべまち）と合併し、市制を施行して土浦市が誕生しました。これにより、烏山は大字烏山として土浦市に編入されることになりました。

現在用いられている烏山一丁目から烏山五丁目という町丁名は、比較的最近の区分であり、1991年（平成3年）9月2日に実施された町界町名整理によって定められたものです。

旧来の字名

かつてこの地域を構成していた細かな区画である「字（あざ）」には、様々な名称がありました。記録に残るものとしては、久保（くぼ）、新地（しんち）、新屋敷（しんやしき）、馬場（ばば）、前峯（まえみね）、長峯（ながみね）、宮鈴臺（みやすずだい）、堂前（どうまえ）、堂後（どううしろ）、原久保（はらくぼ）、東谷（ひがしや）、西谷（にしや）、野谷（のや）、四谷（よつや）、北平（きたひら）、小西（こにし）、瀧の入（たきのいり）、新地（しんち）、先上（さきがみ）といった字名が確認されています。

交通網と地域施設

鉄道を利用する場合、烏山地区からの最寄り駅は、JR常磐線の土浦駅または荒川沖駅となります。地域内には路線バスの運行もあり、烏山地区内に設けられたバス停留所が利用可能です。

道路交通においては、町域の中央部を東西方向に横断する国道125号の阿見美浦（あみみほ）バイパスが、地域の主要な幹線道路として機能しています。また、町域の南側には細長く突出した部分があり、その南端が茨城県道203号荒川沖阿見線（あらかわおきあみせん）の西側に接しています。

町内には、住民の日常生活を支える多様な施設が立地しています。地域の集会施設として六中地区公民館や烏山公民館があり、子どもたちのための施設として土浦市立ポプラ児童館があります。郵便業務は土浦烏山簡易郵便局が担当しています。教育関連施設としては、エンゼルスポーツ幼稚園やめぐみ愛育めぐみ保育園が設けられています。

また、烏山地域は公園が豊富に整備されています。烏山東公園、烏山西公園、烏山南公園、烏山北公園といった方角を示す公園や、烏山第1公園から烏山第7公園まで番号が付された公園、さらに烏山南ヶ丘公園、烏山二丁目公園、烏山四丁目公園など、規模や場所に合わせた様々な公園が点在し、地域の緑地空間を提供しています。緑地としては、烏山二丁目緑地も存在します。住宅としては市営南ヶ丘住宅があり、生活利便施設としては、国道125号バイパス沿いにセブン-イレブン土浦烏山125号バイパス店があります。

この地区に居住する子どもたちが通う市立の小・中学校の学区については、土浦市によって定められた定めがあります定められた基準が適用されています。

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