烏須弗

烏須弗の概要

烏須弗（うすふつ）は、渤海国に所属する使節であり、彼の生涯の詳細は不明ですが、第8次渤海使に任命されたことが特徴的です。彼の登場は『続日本紀』に記録されており、交流の歴史において重要な役割を果たしました。

記録の内容

烏須弗が関わった記録は、宝亀4年（773年）6月、彼が大使として能登国に到着した際のものです。このとき、彼は船を1艘使って日本に渡り、部下を通じて能登国の国司とのやり取りを行いました。彼の返答では、渤海と日本は長年にわたり友好的な関係にあることが強調されていました。具体的には、過去に日本の使節が渤海国に滞在し、語学を学んで帰国した経緯が紹介されています。

烏須弗は日本におけるその後の報告がないことから、直接の交流を希望し、再度大使を派遣する意向を示しました。この大使の任務には、進物を持参し、彼の国からの正式なメッセージを伝えることが含まれていました。彼が述べた内容の中では、安否を報告してこない使節の存在に触れながら、これからの交流を強化するための希望が表明されていました。

日本側の返答

対する日本側では、太政官が烏須弗に対して一連の決定を下しました。その中で、過去に派遣された使節の国書について、「驕慢であり、礼儀に欠ける」との判断が下され、再度の使節団の訪問を制限する意向が示されました。これにより、烏須弗はそのまま帰国を余儀なくされることとなります。

また、日本側では、将来的には筑紫道からの来朝を促す方針がナビゲートされており、渤海からの使節がどのように日本にアクセスするかについての歴史的解釈も存在します。このように、日本と渤海の交流において、烏須弗の存在は非常に象徴的であり、時代の変遷と外交の変化を示しています。

交流の歴史

この記録は、烏須弗と渤海国との関係だけではなく、当時の日本の外交方針や交流におけるクライテリアを理解するための重要な資料となります。有名な言葉に「承前禁断」との表現が見られることからも、過去の交流に基づき、新たな外交戦略が必要とされた時代背景を垣間見ることができます。

その後、烏須弗の取り組みは影響を与え続け、日本の国際関係における発展へとつながりました。能登客院の建設が実現したのは、彼のような使節の努力があったからこそであり、歴史的には重要な意義を持つ交流の一環と考えられます。烏須弗はいまだ未解決の謎が多い人物でありますが、彼の役割は日本と渤海との関係を深めるための貴重な足掛かりとなりました。

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