無声声門摩擦音

無声声門摩擦音とは

無声声門摩擦音は、子音の一種であり、その名の通り、声門で生成される無声の摩擦音です。国際音声記号では[h]と表記されますが、純粋な摩擦音とは異なり、実際には後続の音（または音節末では先行する音）の無声化現象として捉える方がより正確です。

特徴

気流の起こし手

無声声門摩擦音は、肺からの呼気を利用して生成されます。

発声

この音を発音する際、声帯は振動せず、無声音となります。

調音

• - 調音位置: 声帯と声帯の間、つまり声門が調音に関わります。
• - 調音方法: 声門の隙間を狭めることで摩擦音が生じます。ただし、声帯の主な役割は発声であり、声門の開閉は声の生成に深く関わるため、口腔内の摩擦音とは性質が異なります。発声においては、むしろ声門が開いた状態が基本となります。
• - 口腔内の気流: 口腔内の気流は特に制限されません。
• - 口蓋帆の位置: 口蓋帆は持ち上げられ、鼻腔への通路が遮断されるため、口音として発せられます。

言語例

無声声門摩擦音は、多くの言語に存在する一般的な音です。しかし、一部の言語では音素として区別されないこともあります。例えば、ロマンス諸語であるフランス語やイタリア語では、この音は音素として明確に区別されません。

日本語

日本語では、例えば「は」(ha) のように、「は、へ、ほ」（近畿方言では「ひ」も含む）の頭子音に現れます。

英語

英語では、"have" のように単語の頭に h がつく場合にこの音が使われます。

ドイツ語

ドイツ語でも、"haben" のように単語の頭に h がつく場合にこの音が使われます。

スペイン語

スペイン語の一部の地域では、"obispo" [o̞ˈβ̞ihpo̞] のように語中に現れることがあります。

まとめ

無声声門摩擦音は、声門で生成される無声の子音であり、多くの言語に存在しますが、純粋な摩擦音ではなく、後続の音の無声化として現れることが多いという特徴があります。この音は、発声における声門の開閉と深く関わっており、その生成メカニズムは他の摩擦音とは少し異なります。

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