無期刑

無期刑とは

無期刑とは、刑期が無期限であることを意味します。これは、受刑者が死亡するまで刑罰が継続されるもので、死刑に次ぐ重い刑罰とされています。英語では「life imprisonment」と呼ばれ、さまざまな国で異なる制度があります。無期刑と似た概念に終身刑があり、仮釈放の有無によってこれらを区別する見方も存在しますが、国際的には両者を同一視することが一般的です。

日本の無期刑

日本の刑法では、無期懲役と無期禁錮が定められています。刑法第28条によれば、無期刑の受刑者も条件を満たせば仮釈放され、社会復帰の可能性があるとされています。具体的には、受刑者が無期懲役の刑を科され、10年が経過すると仮釈放の申請が可能になります。

無期懲役が科される主な犯罪

無期懲役は、さまざまな重罪に適用されることがあります。その中には、次のような犯罪があります：

• - 殺人罪（死刑が法定刑に含まれる場合もあり）
• - 強盗致傷罪
• - 現住建造物放火罪（死刑が法定刑にある）
• - その他、組織犯罪や爆発物に関連する罪

無期禁錮の対象

無期禁錮には、内乱罪や爆発物取締罰則に違反した場合が含まれますが、戦後の日本において無期禁錮刑が実際に言い渡された例は多くありません。

少年法と無期刑

日本の現行法では、14歳以上の者に対して無期刑が適用されます。特に、18歳未満で罪を犯した場合は、死刑相当の罪でも無期刑が科されることがあります。

処遇と仮釈放制度

無期刑を受けた受刑者は、未決勾留日数が刑の期間に算入される場合がありますが、基本的に無期刑は終身の刑であるため、その影響は限定的です。受刑者によっては、昼夜間厳正独居拘禁にされることもあります。

仮釈放の実態

無期刑受刑者の仮釈放は年々慎重になっており、過去数十年の傾向に比べて許可される割合が低下しています。2000年代からは、仮釈放されるまでの在所期間が長期化する傾向にあり、例えば、2010年代には20年以上の服役後にやっと許可されることが一般的となっています。2022年には、無期刑受刑者の刑事施設における在所者数が1,688人で、仮釈放された者はわずか5人でした。

日本における仮釈放の基準

仮釈放が許可されるためには、受刑者が改悛の情を示し、再犯の恐れがないことが求められます。また、被害者の意見も考慮されることがあり、社会の感情に則した判断が行われることが基本です。

国際的な比較

ドイツ

ドイツでは無期刑が存在し、一定条件を満たせば仮釈放が可能です。仮釈放の制度は法的に義務付けられており、運用されています。

フランス

フランスでも無期刑があり、服役後15年を経過した場合に仮釈放申請ができます。

無期刑のない国々

無期刑が存在しない国もいくつかあります。例えば、スペインやノルウェーなどでは、最高刑が有期刑で設定され、大きな違いとなっています。

結論

無期刑は重い刑罰であり、制度や取り扱いは国によってさまざまです。日本においてもその運用と取り扱いについては進化を続けており、受刑者の人権、社会復帰の可能性、被害者保護の観点からも課題が残されています。

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