無期限くりこし

auの無料通話繰り越しサービス「無期限くりこし」とは

「無期限くりこし」は、KDDI（au）が2006年8月1日に開始した無料通話繰り越しサービスです。当時の携帯電話業界では、ボーダフォン（現ソフトバンク）の自動繰り越しやNTTドコモの2ヶ月繰り越しが主流でした。auは、これらのサービスに対抗するため、当初は3ヶ月繰り越しを発表しましたが、その後、無料通話分をより有効活用できるようにと、無期限繰り越しへとサービス内容を変更しました。

サービスの概要

このサービスの最大の特徴は、繰り越し期限がないことです。しかし、繰り越せる金額には上限が設定されています。他社の繰り越しサービスでは、古い繰り越し分から消費されることを考えると、繰り越し上限額を1ヶ月分の無料通話分で割った値が、事実上の繰り越し期間となります。そのため、「無期限」という言葉は、厳密には正確ではありません。

料金プランによっては、無料通話分が余ることが少ない場合もありますが、仕事などで特定の月に通話時間が大幅に増えるケースでは、保険的な意味合いで上のプランを選ぶこともあります。このような状況では、無期限繰り越しサービスは非常に有効です。

サービスの特徴

最大のメリット

繰り越し期限がないことが最大のメリットです。これにより、無料通話分を無駄にすることなく、必要な時に利用できます。

制限事項・留意点

ただし、いくつかの制限事項や留意点があります。

併用できないサービス・プラン: ガク割やシングルサービスとの併用はできません。家族割に加入している場合は、別途申し込みが必要です。
家族分け合いコースとの選択: 「無期限くりこし」と、家族で無料通話分を分け合う「家族分け合いコース」のどちらかを選ぶ必要があります。
繰り越し上限額: 繰り越し額には上限があり、料金プランによって異なります。そのため、実質的な繰り越し期間はプランによって異なり、場合によっては当初の3ヶ月繰り越しと変わらないこともあります。特に、一部のプランでは、1ヶ月強程度の繰り越し期間となることもあります。
料金プラン変更時の注意: 料金プランを変更した場合、新しいプランが適用された月は変更前のプランの繰り越し上限額が適用され、その後は新しいプランの上限額が適用されます。また、デイタイムSなどの一部プランに変更すると、それまで繰り越していた無料通話分は全て無効になります。

パケット料金の扱い

パケット料金についても注意が必要です。ダブル定額などの定額制プランでは問題ありませんが、従量制プランでパケット割を併用している場合は、以下の制約があります。

パケット割の無料通信は繰り越されない: パケット割で付与される無料通信分は繰り越すことができません。
無料通話はパケット料金に使えない: 繰り越した無料通話分は、通話料金にのみ適用され、パケット料金には使用できません。パケット料金に充当できるのは、その月のパケット割引による無料通信分のみです。

他社の繰り越しサービス

自動繰り越し（ソフトバンクモバイル）: 2001年2月に開始されたサービスで、繰り越し手続きが不要です。
2ヶ月繰り越し（NTTドコモ）: 2003年11月に開始されたサービスで、余った無料通話分をグループ内で分け合える特徴があります。

まとめ

auの「無期限くりこし」は、無料通話分を有効活用できる便利なサービスですが、上限額や適用条件を理解した上で利用することが重要です。自身の利用状況に合わせて、最適な料金プランとサービスを選択しましょう。

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