無窮花大勲章

無窮花大勲章について

無窮花大勲章（むくげだいくんしょう、ムグンファデフンジャン）は大韓民国が設けた勲章であり、国家の重要な業績や貢献を称えるために授与されます。この勲章は1949年8月13日に制定された無窮花大勲章令（大統領令第164号）により創設され、1963年以降は賞勲法に基づいてその授与に関する基準が定められています。無窮花大勲章は、国内における最高位かつ単一級の勲章とされ、特に権威を持つ存在です。

授与対象

無窮花大勲章は、賞勲法第10条に則り、特定の人物にのみ授与される特権的な勲章です。具体的には、大韓民国の大統領、その配偶者、および友好国の前職元首とその配偶者に授与されることが決められています。これにより、事実上は大統領自身が、またはその後任者に対して授与する形式となっています。歴史的には、金大中までは大統領就任直後に授与されていたのですが、盧武鉉や李明博は退任前に受章する例も見られました。これは、彼ら自身への叙勲という側面を持ちます。一方で朴槿恵には、前任の李明博が授与することで、後継への叙勲とし、受章は就任後が反映される形となりました。

2006年、元大統領の全斗煥と盧泰愚が過去の事件に関連し勲章を剥奪されたことがありますが、無窮花大勲章はその特異な地位から例外とされたため、彼らは依然としてこの勲章を保持しています。

意匠

無窮花大勲章は賞勲法第27条に基づき、様々な部品で構成されています。具体的には、頸飾章、正章、副章、襟章などが組み合わさっています。特に頸飾章は首飾り形式であり、正章の大綬は左肩に下げるスタイルで、副章は右胸に佩用することが求められます。このように、無窮花大勲章は他の勲章とは異なる特有の規定が存在します。

勲章のデザインには、韓国の国花である無窮花（ムクゲ）が豊富に使用されています。中央のルビーを台座に、金冠で表現された12の無窮花の芽が光線に囲まれ、さらに赤いマルタ十字が重なる独特の形状を呈しています。また、頸飾章や正章には一対の鳳凰と無窮花を組み合わせた鈕が施され、頸飾の鎖には無窮花と瑞蝶の文様が交互に配されています。中央には月桂冠に囲まれた太極と四卦の図が描かれています。正章の大綬部分は赤色でデザインされています。

最近の改正により、女性用の章飾の寸法も男性用と統一されました。これにより、勲章はより一層一般的な統一感を持つようになりました。勲章制作にかかる費用は高額であり、2005年にはおおよそ2000万ウォン、2013年には4500万ウォンを超えるとされています。

無窮花大勲章は、国家への貢献を表彰する特別なシンボルであり、韓国における重要な文化遺産とも言えるでしょう。

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