無量光寺 (和歌山市)

無量光寺：首大仏で知られる和歌山の名刹

和歌山県和歌山市に位置する無量光寺は、浄土宗に属する由緒ある寺院です。里宮山を山号とし、阿弥陀如来を本尊として祀っています。特に、境内にある首大仏は、寺を象徴する存在として広く知られており、多くの参拝客を惹きつけています。

歴史と創建

無量光寺は、江戸時代の文政12年（1829年）、紀州藩10代藩主である徳川治宝の命によって創建されました。開山は紀州出身の大行者徳本上人、開基は本辨です。京都の法然院を模して建立された当寺は、徳川治宝によって念仏道場として定められ、数々の堂塔が建立されるなど、藩主からの庇護を受けて栄えました。しかし、明治14年（1881年）に発生した大火により、全山を焼失するという大きな被害を受け、現在の規模に縮小されました。

首大仏：受験生らの祈願成就の場

無量光寺のシンボル的存在である首大仏は、盧舎那仏の頭部と伝えられています。高さ3メートルにも及ぶこの大仏は、元々は末寺である大福寺に安置されていましたが、明治41年（1908年）に大福寺が廃寺となった際に、無量光寺に移転されました。天保11年（1840年）7月24日には大福寺において開眼法要が営まれたと記録されています。

「首から上の願いを叶える」と伝えられており、特に受験シーズンには、合格祈願のため多くの受験生やその家族が参拝に訪れます。多くの祈りが込められた首大仏は、静かに見守るように境内に鎮座しています。

境内と寺宝

境内には、本堂、鐘楼、庫裏、徳本上人坐像、観音堂、山門といった様々な建物が配置されています。本堂は明治19年（1886年）、現在の打田町にある傳法院から移築されたものです。また、寺宝として、徳本行者真筆大幅名号が伝えられています。

アクセスと周辺情報

無量光寺へのアクセスは、JR和歌山駅または南海和歌山市駅から和歌山バスを利用し、小松原五丁目停留所で下車、徒歩約10分です。周辺には、寺町や岡山の時鐘堂、和歌山県立近代美術館、和歌山県立博物館、和歌山城など、観光スポットが点在しています。

和歌山西国三十三箇所

無量光寺は、和歌山西国三十三箇所の第8番札所として、霊場巡りのコースにも含まれています。前後の札所は、第7番札所の大泉寺と第9番札所の窓誉寺です。

まとめ

歴史と文化、そして受験生らの祈願成就の場として親しまれる無量光寺は、和歌山を訪れた際にはぜひ訪れてみたい寺院です。首大仏をはじめとする見どころ、そして静寂に包まれた境内は、訪れる人々に深い印象を残すことでしょう。

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