熊本市交通局1200形電車

熊本市交通局1200形電車について

概要

熊本市交通局が運行する熊本市電に属する1200形電車は、当初1958年に200形として導入されました。10両（200-209）が導入されたこの車両は、熊本市電では9形式目のボギー車として位置付けられています。後にワンマン運転に対応するため改造が施され、1200形へと改称されました。特に、200形200号は1210号に改番されるなど、一部の車両に特有の変更があったのが特徴です。

1966年にはワンマンカーとしての改造が順次行われ、当時の運行形態に合わせた仕様が施されることになりました。冷暖房装置の設置も行われ、熊本市電の車両の中で初めての冷房付き車両として注目を集めました。改造後も路線の縮小を経て、現在に至るまで多くの車両が在籍しています。

車両の構造

1200形の車体は半鋼製の低床ボギー構造で、全長は12メートル、幅は2.3056メートル、高さは3.1466メートルです。自重は約15.3トンで、冷暖房装置設置後は16.4トンになります。

車体前面

前面は中央に大きな窓が特徴で、窓の配置は3枚窓スタイルです。ワンマンカー改造に伴い、窓周りは様々な改良が加えられ、仕様が変更されています。前照灯も窓下中央部に配置され、尾灯が窓の下に移動するなど、事故発生時の可視性が向上しました。

車体側面

側面には片側に2か所の客室扉が設けられ、ワンマン運転の特性を活かした設計が施されています。非対称の扉配置とドア設計により、乗降の効率が向上しています。

車内の設計

車内はロングシートが採用されており、最大で69人を収容可能です。照明は蛍光灯が使われ、快適な環境作りが意図されています。

主な機器

1200形は異なる種類の台車を装備しています。近畿車輛製のKD-201形や住友金属工業製のFS-74形が採用され、従来の乗り心地を確保しながら安全性も向上しています。

主電動機は38キロワットの東洋電機製造製が2基装備され、制御器により直列と並列の運行が可能です。ブレーキ装置も高性能なものが搭載されています。

改造の歴史

ワンマンカー改造

1966年に開始されたワンマンカー改造は、熊本市電の運行効率を改善するための重要なステップでした。改造工事では、運賃収受方法が見直され、運行が効率化されました。

冷暖房設置

1978年から1980年にかけて、冷房装置の設置が進められ、多くの車両に冷房が搭載されました。熊本市電で最初に冷房が施された車両の中には、1202・1208号が名を連ねています。

車体更新

1985年には、8200形に準じた8500形が登場し、旧型車両の機器と新型車体の組み合わせにより、車両の性能向上が図られました。特にこの改造では冷房装置の変更もあり、さらなる快適性が加わりました。

現在の状況

2023年時点で1200形はまだ在籍しており、改良や改造が施されながら、熊本市交通局が運営する重要な公共交通手段として利用されています。これからも熊本市の交通インフラの一翼を担い、多くの人たちに利用され続けることでしょう。

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