熊本電気鉄道03形電車

熊本電気鉄道03形電車の概要

熊本電気鉄道03形電車は、2019年に熊本電気鉄道によって導入された電車で、かつて東京メトロで使用されていた営団03系電車が改造されたものです。2021年4月時点で、3編成6両が在籍しています。デビューは2019年4月4日で、当初は上熊本から北熊本間を運行していました。その後、2020年3月からは藤崎宮前から御代志間でもサービスを開始しました。

電車の改造内容

この電車は、熊本電気鉄道の各路線で使用される600Vの架線電圧に対応するために、さまざまな改造が行われました。種車にあたる両先頭車は制御付随車ですが、御代志寄りに連結される車両は制御電動車として電装され、藤崎宮前寄りの制御付随車と組み合わせて1M1Tの編成を形成しています。

特に、ここで導入されたIGBT素子やVVVFインバータ制御装置、シングルアーム式パンタグラフが新たに設置されており、さらに冷房機器も見直されています。また、ワンマン運転に必要な各種機器、例えば運賃箱や整理券発行機、後方確認用のミラー、発車ベルなども搭載されています。

運転台に関しては、マスコンが従来の縦横軸ツインレバー型から、両手で操作するワンハンドルマスコン型に交換されました。これにより、ワンマン運転に必要なスペースを確保しました。

車内構造の変化

車内については大きな変更はありませんが、各車両の端部にあたる3位側にあった4人掛けシートが廃止され、車椅子スペースが2か所設置されています。また、乗降用ドアの上には路線図に基づいた旅客情報案内装置が取り付けられ、中吊り広告や車両間の貫通扉は撤去されました。ドアチャイムは熊本電鉄特有の仕様に変更されました。

外装にも工夫が施されており、東京メトロのロゴが設置されていた位置には、熊本電鉄のデザインに合わせたロゴが貼られました。また、行先表示器には種車の3色LED式を活用しています。2023年10月には、03-131Fが熊本県のPRキャラクター「くまモン」のラッピングデザインで彩られました。

編成の詳細

現在、03形電車は三つの編成から構成されています。まず、03-131+03-831型は2018年7月30日付で東京メトロで廃車されてから、2019年4月4日に営業運転を開始しました。当初はスカートが未装着でしたが、同年7月になって取り付けられています。

次に、03-137+03-837型は2018年5月21日付で東京メトロで廃車となり、2020年には西鉄筑紫工場から熊本電鉄の車庫に陸送され、同年4月27日から運転が始まりました。最後に、03-132+03-832型も2018年12月11日に廃車されましたが、2021年3月に再入籍し、5月10日から営業運転を開始しています。

パンタグラフは御代志側に2基搭載されており、車番は東京メトロ時代から変更されずに残されています。

まとめ

熊本電気鉄道03形電車は、効率的な運行と快適な移動を実現するために多様な改造が施され、さらに地域に根ざしたデザインへの変更も行われるなど地元の期待に応えています。この進化を続ける電車は、熊本の公共交通の重要な一端を担っています。

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