熊澤英昭

熊澤英昭の生涯と業績

熊澤英昭は、1943年に岐阜県で生まれ、東京大学法学部を卒業後、1967年に農林省に入省しました。農林水産省では、大臣官房総務審議官、畜産局長、経済局長などを歴任し、1998年には農林水産審議官に就任。長きにわたり事務次官を務めた高木勇樹を支えました。2001年には、農林水産省再編後初の事務次官に就任しましたが、BSE[[問題]]の対応に追われることとなりました。

BSE[[問題]]と事務次官辞任

BSE[[問題]]が深刻化する中、当時の農林水産大臣の言動が混乱を招き、農水省は対応の遅れを批判されました。酪農家からの抗議も激化し、社会問題に発展。熊澤は、その責任を問われる形で2002年に事実上更迭される形で退官しました。大臣は、組織全体として責任があるという見解を示しましたが、自身の辞任は拒否しました。この事件は、当時の農水省の危機管理能力の欠如を浮き彫りにしました。

退官後の活動

退官後、熊澤は日本食肉協議会からの嘱託就任の要請を辞退。2004年には、農協共済総合研究所の理事長に就任し、また、全国米穀取引・価格形成センターの会長も務めました。

2005年から2008年には、チェコ駐箚特命全権大使として、日本とチェコ間の文化交流に尽力しました。特に2005年の「日EU市民交流年」には、鬼太鼓座の和太鼓公演や相撲イベントなどを開催し、日本文化を紹介しました。また、長年チェコで日本文化を紹介してきた東洋学者ヴィェンツェスラヴァ・ハドリチコヴァーの叙勲に尽力し、両国関係の緊密化に貢献しました。2007年には、日チェコ国交回復50周年を記念し、多くの要人が両国間を訪問。さらに、アジア13か国の大使館と協力して、合同文化紹介イベント「Many Colours of Asia」を開催しました。

また、企業駐在員や個人の社会保険料負担軽減のため、チェコ労働社会省との交渉を進め、「社会保障に関する日本国とチェコ共和国との間の協定」の締結に成功しました。

大使退任後は、再び農協共済総合研究所の理事長に就任しました。このように熊澤英昭は、官僚としてだけでなく、文化交流や国際関係の分野でも重要な役割を果たした人物です。

略歴

1943年 - 岐阜県にて誕生
1967年 - 東京大学法学部卒業
1967年 - 農林省入省
1976年 - 農林省食品流通局砂糖類課課長補佐
1977年 - 農林省農林経済局総務課課長補佐
1977年 - 農林省食品流通局総務課課長補佐
1978年 - 外務省在アメリカ合衆国日本国大使館一等書記官
1981年 - 農林水産省大臣官房文書課課長補佐
1982年 - 経済企画庁調整局調査官
1983年 - 農林水産省食品流通局企画課物価対策室長
1984年 - 農林水産省経済局国際部国際企画課長
1986年 - 農林水産省畜産局競馬監督課長
1986年 - 農林水産省食品流通局砂糖類課長
1991年 - 農林水産省大臣官房秘書課長
1993年 - 農林水産省経済局国際部長
1995年 - 農林水産省大臣官房総務審議官
1995年 - 農林水産省畜産局長
1997年 - 農林水産省経済局長
1998年 - 農林水産審議官
2001年 - 農林水産事務次官
2002年 - 農林水産省退官
2004年 - 農協共済総合研究所理事長
2005年 - チェコ駐箚特命全権大使
2008年 - 農協共済総合研究所理事長

関連人物

新井昌一
武部勤
原田親仁
渡辺好明 (農林官僚)

関連項目

農林水産省
特命全権大使

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