熊谷五右衛門

熊谷 五右衛門について

熊谷五右衛門（ごうえもん）は、1865年7月25日に越前国坂井郡熊坂村、現在のあわら市熊坂で生まれました。彼は家業の農業を継承し、1880年に家督を相続しました。

彼の政治キャリアは、地域の公共活動から始まりました。まず、坪江村会議員や坪江村長を勤め、その後坂井郡会議員、さらには丸岡町長としても活動しました。1893年には福井県会議員に選出され、合計で17年間の在任期間中に杉田定一系の中心的な存在として多くの重要な役割を果たしました。特に九頭竜川の改修に尽力したことが評価されています。

1912年には第11回衆議院議員総選挙において福井県郡部から出馬し当選。これを皮切りに、以後の多くの総選挙でも当選を果たし、衆議院議員として通算7期にわたって活動を続けました。彼は北陸本線の牛ノ谷駅及び春江駅の新設にも寄与し、立憲民政党では相談役を務めるなど、その影響力は広範囲に及びました。

熊谷五右衛門は政治的活動に留まらず、福井日報社の社長としてもメディア事業に携わり、また福井地方森林会議員としても地域の環境問題に積極的に関わりました。彼の多岐にわたる業績は、彼の時代の社会に貢献するものであり、政治家としての責任感の強さを表しています。

私生活では、熊谷五右衛門には養女の名村たにがいます。彼女は後に衆議院議員名村忠治の妻となりました。熊谷五右衛門の家系は、農業だけでなく、政治においても名前が知られる存在となりました。

彼の名は、数多くの文献にも残されています。例えば『内外福井県人士録 第1巻』（1922年）、加藤紫泉著の『新代議士名鑑』（1924年）、および『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』（1990年）など、彼の政治的な業績や社会的な貢献が取り上げられています。これらの資料は、彼の果たした役割を評価する上で貴重な参考資料となっています。

1942年9月1日に亡くなった熊谷五右衛門は、明治から昭和にかけての政治界において重要なひとりとして記憶され続けることでしょう。

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