熊谷大橋 (荒川)

熊谷大橋の概要

熊谷大橋（くまがやおおはし）は、埼玉県熊谷市の広瀬地区と同押切地区の間に位置し、荒川に架かる道路橋です。埼玉県道385号、武蔵丘陵森林公園広瀬線としても知られています。この橋は旧熊谷東松山有料道路と関連しており、熊谷市の市街地の交通渋滞を回避するために設計されました。橋の北側へ約3キロメートル進むと、国道17号に接続しています。

この橋は荒川河口から79.63キロメートルの地点にあり、全長1163.85メートルです。渡河部分は910メートル、取付高架部分が253.85メートルです。幅は10メートルで、最大支間長は73.5メートルの13径間PC連続ラーメン橋として設計されています。歩道は幅2.5メートルで、照明灯も備えられています。また、この橋は埼玉県の第一次緊急輸送道路にも指定されており、地域の重要な交通インフラとなっています。

完成当初、この橋はコンクリートで作られたものとしては日本一の長さを誇りました。広瀬側には広瀬野鳥の森が広がっており、秩父鉄道の秩父本線を跨ぐ部分も備えられています。この跨線橋は秩父鉄道の広瀬川原車両基地を越える形で設計されており、国道140号につながっています。押切側には小河川を越えるプレートガーダー橋があり、全体的に緩やかな曲線を描いています。

公共交通に関しては、特別な経路は設定されていませんが、橋近くには熊谷市のコミュニティバスが通過する停留所があります。

歴史

熊谷大橋の下流には、「樋春の渡し」と呼ばれる渡船が存在していました。これは1878年頃までの村道に属し、少なくとも2艘の船を用いて私設の渡船サービスを運営していました。荒川大橋の開通後も利用者が多かったようですが、この渡船場は昭和初期に廃止されました。

熊谷大橋の建設は、熊谷東松山有料道路の第二期工事の一環として行われました。埼玉県道路公社が事業主体となり、総工費は19億2000万円に上りました。1973年に工事が始まり、最新の工法で橋が建設されました。1976年1月に竣工し、同年の3月1日に開通しました。開通式には地域の首長や関係者が出席し、記念のテープカットが行われました。

2004年には熊谷東松山有料道路が無料開放され、橋も埼玉県に移管されました。開通当初は熊谷市と大里郡江南村を結ぶ橋でしたが、2007年の市町村合併により、両岸が熊谷市に統合されました。

周辺の環境

熊谷大橋の左岸側には多くの河川敷があり、公園やゴルフ場として利用されています。また、堤内地は住宅地と農地が混在しており、右岸側は主に農地で構成されています。この橋の上流側には現存する唯一の陸閘、大麻生陸閘があり、1954年に竣工されました。

周囲には、荒川を活かしたサイクリングロードや運動公園、各種学校や文化財も点在しています。また、地域の自然や文化を楽しむための場が多く整備されており、訪れる人々にとっても魅力的なスポットとなっています。

もう一度検索