熊野町

熊野町（くまのちょう）の概要

熊野町は広島県に位置する町で、安芸郡に属しています。町の人口は竹原市や江田島市とほぼ同程度で、広島県内では府中町や海田町に次ぐ3番目の規模を誇ります。特筆すべきは、中国地方において鉄道駅を持たない市町村の中で最も人口が多いことです。

この町の人口は、戦前は約7,000人台、戦後には9,000人台で安定していました。しかし、昭和40年代に熊野団地が建設されると、人口は急増し、1975年には20,000人を突破、1983年には25,000人に達しました。その後は25,000人前後で推移するものの、最近では減少傾向にあるようです。

熊野町は熊野筆の生産地として知られており、全国シェアは最高レベルです。広島市安芸区や呉市に近接するため、近年は両市のベッドタウンとしての発展も見られています。

地理

熊野町は四方を山々に囲まれ、熊野盆地を中心に広がっています。その中央を熊野川が流れ、豊かな自然環境に恵まれています。自然に囲まれたこの町は、景色が美しく、観光地としても人気があります。

歴史

熊野町の歴史は1889年（明治22年）4月1日に始まります。この日に安芸郡熊野村が発足し、1918年（大正7年）には町制を施行して安芸郡熊野町になりました。その後、1931年には周辺の村を編入し、町の規模が増大しました。

2001年（平成13年）には芸予地震が発生し、震度6弱の揺れが観測され、町に影響を与えました。さらに2018年には町制施行100周年を迎えました。

行政

現在の町長は三村裕史氏で、2008年から4期目を務めています。副町長には岩田秀次氏が就任しており、教育長は平岡弘資氏です。熊野町には町議会があり、14人の議員が選出されています。議会は2023年から2027年までの任期で活動しており、議長は時光良造氏、副議長は尺田耕平氏です。

産業

熊野の特産品として有名なのは熊野筆で、大手の製造企業が複数存在します。株式会社白鳳堂や竹宝堂など、数多くの企業が熊野筆の生産に従事しています。また、黒豆や納豆、炒り子なども地元の特産品として知られています。

教育

教育機関も充実しており、高校には広島県立熊野高等学校、町立の中学校や小学校が複数存在します。熊野町では教育環境が整っていることが生徒から評価されています。

交通

町内には鉄道駅がなく、最寄の駅はJR西日本呉線の矢野駅です。バス便は広電バスなどが運行しており、広島市や呉市へのアクセスが可能です。主要道路は整備されていますが、有料道路はありません。

名所・観光

熊野町には榊山神社や熊野本宮社など歴史的な名所があり、多くの観光客が訪れます。また、筆の里工房での見学も人気で、町の文化を体験することができます。毎年9月23日には筆まつりが開催され、多くの人々で賑わいます。

友好都市

熊野町は三重県の熊野市と友好都市提携を結んでおり、地域間の交流を深めています。

このように、熊野町は自然環境に恵まれた町であり、歴史や文化、産業が調和した地域です。観光や教育、交通の整備など、地域の発展に向けた取り組みが進められています。

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